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庭番
「庭番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庭番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のは三宅《みやけ》平七以下四人の若侍たちでした。禄《ろく》は少ないが、いわゆるお
庭番と称された江戸幕府独特の密偵隊《みっていたい》同様、役目がなかなかに重大な役....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
宅で、しかも退屈男の面目は、ここに於ても躍如たる一面を見せて、下働らきの女三人、
庭番男が二人、門番兼役の若党がひとりと、下廻りの者は無人《ぶにん》ながらも形を整....
「仇討三態」より 著者:菊池寛
もお前さんは、若い時は大名のお膳番を勤めたことがあるそうだが、本当かな!」 お
庭番の中間が、意識して嘉平次を煽てにかかった。 「うむ! なるほど、なるほど」 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
とがよく判っていないようです。この隠密の役目を勤めるのは、江戸城内にある吹上の御
庭番で、一代に一度このお役を勤めればいいことになっていました。 なぜ御
庭番がこ....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
心したが、それよりも、あのいたわりの声の響きの気品に打たれた。御大家のお内儀が、
庭番のじいやに、縁先から声をかけるみたいな、いかにも、のんびりしたゆとりのある調....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
十はどこへ逃げたのか。 ここに、ただ一つふしぎなるは、例の美しき花園に水を撒く
庭番が、いつになく帽子を深々とかぶり、そしていつになく忠実に花の間にうずまって、....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
乱打する者がある。
「ちッ。なんだい今ごろ、町医じゃあるめぇし」寝ようとしていた
庭番の老爺《ろうや》が、つぶやきながら出て行って潜《くぐ》りをあけると、一拍子に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
を向けた。ジャヴェルはなお彼を見つめていた。
七 パリーにてフォーシュルヴァン
庭番となる
フォーシュルヴァンは荷馬車から落ちる時に膝蓋骨《しつがいこつ》を....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ね。」
「ええ! 御存じでしょうがね。」
「いや、知らないんだ。」
「私をここの
庭番に世話して下すってながら!」
「まあ何にも知らないものとして教えてくれ。」
....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ァンの娘となった。ふたりのフォーシュルヴァン兄弟はプティー・ピクプュスの修道院で
庭番をしていたことがあるので、そこに聞き合わされた。よい消息やりっぱな証明はたく....
「グロリア・スコット号」より 著者:ドイルアーサー・コナン
、もう大地主であるトレヴォの家の高い煙突と旗竿とが見えていた。 「僕の父親は奴を
庭番にしたんだよ」 と友達は云った。 「だが奴さんそれでは満足しなかったので、....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
山の背後から女の悲鳴らしい声が聞こえ、つづいてけたたましい叫び声が聞こえ、すぐに
庭番らしい小侍が、こなたへ走って来る姿が見えた。 「ご免」と頼母は一揖してから、....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
た。そして、廊下で、手を叩いた。遥かのところで
「はい」
と、いう返事がした。
庭番が、来たらしく、女房が、何か命じていた。靱負は、暫く、刀剣を見廻していたが、....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
。来客は一人の様子であったが、この邸内にいる他の男と云えば、それは息子の浩之介か
庭番の爺やだけだ。浩之介は南方の戦場から足に負傷して戻ってきてビッコであった。こ....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
六つある墓石の下を探ったりしたがやっぱり何事もなかった。 判事は鍵を預っている
庭番に命じて礼拝堂の扉を開けさせた。その礼拝堂というのは昔から崇められたものでそ....