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庭草
「庭草〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庭草の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
する。それが秋雨の音の中で聞える。ややしばらく彼は枕に頭をつけたままで、窓の外の
庭草に降りそそぐ夜明がたの雨を聞いていたが、あの巴里《パリ》の下宿の方に居る時分....
「象牙の牌」より 著者:渡辺温
ずり倒されて拉致し去られたものと見えます。その証拠には僕はその窓下で、雨に濡れた
庭草や植木などが泥だらけの足痕で散々に踏みみだされているのを発見しました……併し....
「食魔」より 著者:岡本かの子
いで、無限に地平に抜けている目途の闇が感じられる。小さな築山と木枝の茂みや、池と
庭草は、電灯の光は受けても薄板金で張ったり、針金で輪廓を取ったりした小さなセット....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
れとも屋敷から内々音信でもあった事か」 と思わず褄を取りまして、其処に有合せた
庭草履を穿いて彼の生垣の処へ出て見ると、十間ばかり先の草原に立って居りまして、頻....
「錦木」より 著者:宮本百合子
を持ちながらその前の階から葉桜のしげる庭へ下りた。夕暮のしめった色は木の葉の間々
庭草の間々からわいて種々の思いを持った人の身のまわりを包む、光君は頭を深くたれて....
「けむりを吐かぬ煙突」より 著者:夢野久作
されても構わない。要点だけは一歩も譲らないぞ……と思いながら、夜目にも荒れ果てた
庭草の間を手を引かれて行くと、森蔭のジメジメした闇の道伝いに、杉木立の中の図書館....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
の 子をおもう母のこころを 語りてもみん 折から東京の外の面は秋雨 うすら冷たく
庭草の濡れそぼつなか 眼に入るは、つわぶきの花の黄のいろ 子よ、と呼びかくべくあ....
「蛾」より 著者:室生犀星
と発熱の労れを感じた。 ふしぎな朝がほとんど毎日つづいた。堀は朝になると裏門の
庭草の茂りのかげに跼って、柔しい足音を待っていた。その時刻には黒い日傘をさした内....