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庶務
「庶務〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
庶務の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
を演じたため、ハッと気がついて出勤簿の前に駈けつけたときには、ほんの今すこし前、
庶務の給仕が集めて持っていったところだと聞かされた。顔が売れていればそうでもない....
「蠅男」より 著者:海野十三
電話をかけまひょか」 「電話より、誰かに警察へ持たせてやろう。会社へ電話かけて、
庶務の田辺に山ノ井に小松を、すぐ家へこい云うてんか」 娘の糸子が電話をかけに行....
「備忘録」より 著者:寺田寅彦
る。自分の高等学校在学中に初めて奉公に来て、当時から病弱であった母を助けて一家の
庶務を処理した。自分が父の没後郷里の家をたたんでこの地へ引っ越す際に彼女はその郷....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
透徹するまでにはしばしば容易ならぬ抵抗に打ち勝つことが必要である。ことにその間に
庶務とか会計とかいう「純粋な役人」の系列が介在している場合はなおさら科学的方策の....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
せなくなったのですよ。貴方もついでに、見合せなすったらどうですかね」 警防団の
庶務係の老人がいった。 「私は予定どおり乗りますよ。風が吹いていようが、敵機は来....
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
れはそっと外へでた。町を一巡してふたたび帰ると父の室に来客があった。それは役場の
庶務課長の土井という老人であった、この老人は非常に好人物という評判も高いが、非常....
「雨」より 著者:織田作之助
受付で一時間ばかり待たされているとき、ふと円山公園で接吻した女の顔を想いだした。
庶務課長のじろりとした眼を情けなく顔に感じながら、それでも神妙にいろいろ受け応え....
「小さき花にも」より 著者:豊島与志雄
。がまんしな。」 お父さんて、何を言うんだろう。お父さんこそ、むかしは、工場の
庶務課で、手塚さんの父親と同僚だったし、手塚さんを好きだったんじゃないか。 「わ....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
は出勤時間を記入する設備さえ出来て、機械そのものが正確に出勤時間を記入するので、
庶務係に向かって時間の割引をせよなどと文句をいう必要がなくなりました。販売部、製....
「光は影を」より 著者:岸田国士
るつもりであつた。 同僚は工場長の牧田と工務部長の菱刈、あとは、彼の下に会計と
庶務を分担する菅老人と市田青年とである。職工は総員三十五名、三分の一が女であつた....
「にらみ鯛 」より 著者:佐藤垢石
ば遣り繰り算段であったのである。 又このようにご窮乏のうちにある宮中の会計や、
庶務に従う御賄頭、勘使兼御買物方、御普請掛、御勘定役などの諸役人は、どれも祿高百....
「天衣無縫」より 著者:織田作之助
なかったが、じつはあの人は出退のタイムレコードを押すことをいつも忘れているので、
庶務の方ではあの人がいつも無届欠勤をしているようにとっていたのだ、とわかった。一....
「キビキビした青年紳士」より 著者:甲賀三郎
いて、充分に会務を見ることが出来ないから、専任の人を迎えることになった、もっとも
庶務担当者として有給の書記が一人二人いたのであるが、今度迎えるのはそれらの上に立....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
あった。 提調というは監督の下に総教習と聯び立つ学堂事務の総轄者であった。出納
庶務から人事の一切を綜べ、学堂の機密にも参じ外部の交渉にも当って、あたかも大蔵と....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
銭五厘の鉛筆を貰いに行くのに願書を五枚書く。一通を市長宛に、一通を会計に、一通を
庶務に、一通を史料研究係りに、そして一通は自分の控に取っておかねばならぬ。市役所....