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「庶民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

庶民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
ってみれば、その夜、ことに自作が発売禁止処分を受けて、もう当分自分の好きな大阪の庶民の生活や町の風俗は描けなくなったことで気が滅入り、すっかりうらぶれた隙だらけ....
十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
な拳を振り上げながら、 「どうも結構な場面を拝見するものだ。法令では大統領夫人と庶民との恋愛的交渉を禁止してあるので、こんな場面なんか永遠に見られないかと思って....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
られて不作確実となり、朝鮮、台湾、満州を失ったのに加えて泣き面に蜂のていである。庶民は盛んに買出しに出かけるが、その内情を聞けば、預金はもう底が見え、交換物資の....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
青年だった。織田といった。金持の家の息子に育ったこの青年は、時代意識もあり、逆に庶民風のものを悦ぶ傾向が強くて、たいして嫌いでもなかった鏡子をも、お嬢さん育ちの....
戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
の部に入る速力を出せるのじゃ。どうじゃ、もうその辺でよろしかろう」 金博士は、庶民階級がすきだと見えて、いつになく短気を出さず、淳々として丘へあがった船上で、....
死者の書」より 著者:折口信夫
、河内|安宿部から石担ちに来て居た男に、憑いた時はのう。 九人は、完全に現し世の庶民の心に、なり還って居た。山の上は、昔語りするには、あまり寂しいことを忘れて居....
四月馬鹿」より 著者:織田作之助
、お上品なプチブル趣味への反逆でもあった。彼は小説家だが、彼の書く小説にはつねに庶民が出て来た。彼自身市井の塵埃や泥の中に身を横たえて書いたと思われるような小説....
神経」より 著者:織田作之助
オペラ館や大阪の千日前のピエルボイズ(これも浅草から流れて来たものだが)の方が、庶民的で取り済ましてないだけまだしも感じがよい。宝塚や松竹の少女歌劇は男の俳優は....
起ち上る大阪」より 著者:織田作之助
地蔵さんを中心に一町内、一路地、一長屋の祭典を行ったということは、どれだけ大阪の庶民の生活をうるおいあるものとしたか計り知れないくらいである。ところが、敵機は無....
武田麟太郎追悼」より 著者:織田作之助
が、更に京都の第三高等学校出身という点でもまた私の先輩である。しかも、武田さんは庶民作家として市井事物一点張りに書いて来た。その点でも私は血縁を感じている。して....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
迎図との関聯、来迎図と御迎講又は来迎講と称すべきものとの脈絡を説いて、中世の貴族庶民に渉る宗教情熱の豊けさが書かれている。唯一点、私が之に加えるなら、大串さんの....
」より 著者:岡本かの子
に、鹿鳴館時代という洋化時代があった。上流の夫人令嬢は、洋髪洋装で舞蹈会に出た。庶民もこれに做った。日本髪用の鼈甲を扱って来た室子の店は、このとき多大の影響を受....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
になると、京都の公家の和歌はいわゆる堂上家の歌といわれて、幾分旧式のように見られ庶民の間に新しい和歌の流れが根を張ってくる。大体この庶民階級に和歌熱が生れてくる....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
ぼえている。 府立三中は本所江東橋にあって、いわゆる下町の子弟が多く、そのため庶民精神が横溢していて、名校長八田三喜先生の存在と相まって進歩的な空気が強かった....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
を建立せられた外、諸国にも寺院の配在を奨励せられたのは、国家鎮護の役目とともに、庶民をして和恭の心を発得せしめん御心よりであります。 太子が摂政の任にお就きに....