廂間[語句情報] »
廂間
「廂間〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廂間の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
岸本は出来るだけ旅の支度を急ごうとした。漸《ようや》く家の周囲《まわり》の狭い
廂間《ひあわい》なぞに草の芽を見る頃に成って、引越の準備をするまでに漕《こ》ぎ付....
「家」より 著者:島崎藤村
ながら、お倉は吸付けた長煙管の口を一寸袖で拭いて、款待顔にお種の方へ出した。狭い
廂間から射し入る光は、窓の外を明るくした。簾越しに隣の下駄職の労苦する光景も見え....
「縮図」より 著者:徳田秋声
習もすれば寝床も延べるのだった。 銀子は物干へ出られる窓の硝子窓を半分開けて、
廂間から淀んだ空を仰ぎ溜息を吐いたが、夜店もののアネモネーや、桜草の鉢などがおい....
「足迹」より 著者:徳田秋声
って来た。一日曇っていた空もとうとう雨になりそうで、冷たい風は向うの家の埃ふかい
廂間から動いて来た。 お庄はじれったいような体を、窓から引っ込めて行くと、自分....
「黴」より 著者:徳田秋声
を明け払って寝ていた。窓からは、すやすやした夜風が流れ込んで、軽い綿蚊帳が、隣の
廂間から差す空の薄明りに戦いでいた。 ばたばたと団扇を使いながら、いつまでも寝....