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廃人
「廃人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廃人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
俺は今朝、新聞の広告を見た時、今月の雑誌「△△△△」の小説欄に、山野の小説「
廃人」が載っているのを見た時、俺はあっと驚いたまま、しばらくは茫然とした。俺は鉄....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
さしていた。支那でなけりゃ、内地へ帰っちゃ、親爺もおふくろも、生存さえ出来ない。
廃人だ。とし子に云わすとそうだった。――その両親がよくくさされていたことさえ、彼....
「獄中記」より 著者:大杉栄
は非常に偉いものと思っていたが、やや長じてからは、そんな人間があるとすれば老耄の
廃人くらいに考えていた。しかしそれはどちらも誤っていた。僕のような夢にまで鱈腹食....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
んぼ》であったり、満足な人間はないからであった。 想うに碩学昆虫館主人が、世の
廃人《すたれもの》を拾い集め、ここに別社会を建設し、何らか事業をしているのらしい....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
様は教育もなく、もう毎日のたべることだけで他のことは考える隙もないのです。父様も
廃人。私は足をはやめました。門をはいると別棟の茶室の庭で、父の妹の未亡人が火をお....
「鹿狩り」より 著者:国木田独歩
井の叔父さんの独り子で、不幸にも四、五年前から気が狂って、乱暴は働かないが全くの
廃人であった。そのころ鉄也さんは二十一、二で、もし満足の人なら叔父さんのためには....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
かったわけであります。なぜかというと、その強迫観念というものが治らなければ、私は
廃人にならなければならない。そういうようなわけで、寝ていなければすぐにからだが悪....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
という方は! もし迂闊にこの人と恋仲などになりましたら、妾のようにされましょう。
廃人にね!
廃人にね! ……」 ヒョロヒョロ、ヒョロヒョロと歩き出した。針金細....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
がそう云ったような、誘惑を感じて喫いはじめ、喫ってその味を知ったが最後、みすみす
廃人となるのを承知で、死ぬまで喫うのが鴉片ですよ。……全く御国の人達と来ては、鴉....
「光は影を」より 著者:岸田国士
せるようなわけでございます。 もちろん、病状は小康を得ていると申す程度で、もはや
廃人同様のからだに違いございませんから、さしあたつて、なんの希望も夢もあろう筈は....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
いう所なのでございます?」 「処刑場だ、人捨場だ! 嘉門の云い付けに背いた者や、
廃人になって役に立たなくなった者を、生きながら葬る墓場でもある」 「恐ろしい所な....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
人を呪い、そうして自分でも浮世を呪い、こそこそ通って行くところの、気の毒な陰惨な
廃人の、姿を思わせるものがあった。
その左側に海鼠壁を持って、その背後に影法師....
「「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ど、どうしてタマセの王系がそんなに邪魔なんでしょう。父はいま、|サモア酒の中毒で
廃人も同様。兄も、父に見ならって盛んに|サモア酒をのんでいます。それも、みんなド....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
りを受けて、一日中を、なすこともなくごろごろして暮して居るという、近代に特有な頽
廃人であった。アメリカには美爪術を行って日を送る頽
廃人が多いが、彼も、髪をときつ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
ず、生命までも奪おうとしています。悩み通してきた二年間のこの苦しみは、私をこんな
廃人同様の病人に仕上げてしまいました。 いつ死ぬか分らない私です。死ぬ前にあな....