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廃坑
「廃坑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廃坑の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
ていては、仕事ができるはずがない。こうどぶつく以上は、何か変事でもあるか、または
廃坑へでも連れ込まれたに違いない。いずれにしても災難だと、不安の念に冒《おか》さ....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
刑事の報告と、完全に合っています」 「博士は、アメリカで何をしているのかね」 「
廃坑を五カ所、買いました」 「
廃坑とは、役に立たなくなった鉱山のことかね」 「そ....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
に鋸でゴシゴシ切っておく、水がドンドン坑内に溢れ入って、立坑といわず横坑といわず
廃坑といわず知らぬ間に水が廻って、廻り切ったと思うと、俄然鉱山の敷地が陥落をはじ....
「土鼠と落盤」より 著者:黒島伝治
い青葉をつけた樹を見るように彼女を見ていたゞけだった。まもなく彼は、話があるから
廃坑へ行かないかと、彼女に切出した。 「なアに?」 彼女は、あどけない顔をして....
「災難雑考」より 著者:寺田寅彦
の設備を怠って充分にしていない。監督官が検査に来ると現に掘っている坑道はふさいで
廃坑だということにして見せないで、検査に及第する坑だけ見せる。それで検閲はパスす....
「砂丘」より 著者:宮本百合子
居るようにハギレよくひびいた。 少しでも女の様子に昔の有様の見えたと云うことは
廃坑から又、新らしい石炭の層を見出したその時よりも嬉しい胸のおどる心地がして心か....
「白銀の失踪」より 著者:ドイルアーサー・コナン
した上は、どこへかすててしまったものと考えられます。馬はどこか荒地の中の凹みか、
廃坑の中に殺されているかもしれません」 「襟飾のことはどう弁明していますか?」 ....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
間の軌道沿線には、炭坑の散在するあり。それらの内、あるものは活坑なれどもその他は
廃坑なり。しかして右の内、本線より私設線を炭坑の入口まで引込みおるもの七ヶ所あり....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
は、その物音が何であるか、すぐに判る筈であった。 それは、すっかり採炭し終った
廃坑の、炭柱を崩し取って退却する時なぞに、どうかすると聞くことの出来る恐ろしい物....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
が落石の下敷きになって右足をつぶしてしまった。 その日、三人は支柱のない危険な
廃坑の中で働いていた。夕方ちかいころ、三人のすぐ横の岩盤が、きしるような妙な音を....