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廃墟
「廃墟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廃墟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「生きている腸」より 著者:海野十三
実験第十日目には、モートルの音までがぴたりと停ってしまった。実験室のなかは、
廃墟のようにしーんとしてしまった。 ちょうどそれは、午前三時のことであった。 ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
いえども山頂に白く雪の帽子を被つているヘルナーの霊峰、そしてその山腹に残っている
廃墟オルタの城塞の壁。毎朝目をさますと、きまってドレゴはこのヘルナーの霊峰とオル....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私を動かし得ないと思われるような瞬間が来る。私の唯一つの城廓なる私自身が見る見る
廃墟の姿を現わすのを見なければならないのは、私の眼前を暗黒にする。 けれどもそ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
における陰影の長さから春分秋分の季節を定めるために使われた。メソポタミアの都市の
廃墟で水晶のレンズが発見されたことから考えると、当時の学者は光学に関する知識もか....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
首府や主要都市は徹底的に破壊されている。その代り大阪も、東京も、北京も、上海も、
廃墟になっておりましょう。すべてが吹き飛んでしまう……。それぐらいの破壊力のもの....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
と掛った。 その日の夕刻、丁度|黄昏どきのこと、丸ノ内にある化物ビルといわれる
廃墟になっている九階建てのビルディングの、その九階の一室で、前代未聞の奇妙な会見....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
命のかぎり野驢を射たバ※ラームも、 野驢に踏みしだかれる身とはてた。 55
廃墟と化した城壁に烏がとまり、 爪の間にケイカーウス*の頭をはさみ、 ああ、ああ....
「海底都市」より 著者:海野十三
妙な手紙 僕は、まるで催眠術《さいみんじゅつ》にかかりでもしたような状態で、
廃墟《はいきょ》の丘をのぼっていった。 あたりはすっかり黄昏《たそが》れて広重....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
た。 ここはバリ港から奥地へ十マイルほどいったセラネ山頂にあるアクチニオ宮殿の
廃墟《はいきょ》であった。そこには山を切り開いて盆地《ぼんち》が作られ、そこに巨....
「暗号音盤事件」より 著者:海野十三
がかりにして貰いたかったわけだよ」 「これから取り懸るという仕事とは、ゼルシーの
廃墟をたずねて、何か宝物でも掘りだすのかね」 「うん、宝探しにはちがいないが、困....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
なわれているけれども、それと同時に建設者はそれを槌で打ち砕いて行き、次から次へと
廃墟となって、再び元の空虚となる。今なお人間は生まれて来るが、それと同時に絶えず....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
遷のうちに根気よく立っている。かの女は伊太利の旅で見た羅馬の丘上のネロ皇帝宮殿の
廃墟を思い出した。恐らく日本の廃園に斯うまで彼処に似た処は他には無かろう。
廃墟....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
この町に来たとき、偶然ガンディの示威運動が起ったのでした。町は、兵士の発砲以来、
廃墟のようになりました。雨が降る、汗が蒸し暑さに腐るように匂う――、事の起りはそ....
「新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
、既に老朽の坂を降りつつある。或は既に瀕死の状態にあるものと見ていい。そして其の
廃墟の上に、民衆の新しき社会が将に勃興せんとしつつある。 此の新勃興階級はそれ....
「中支遊記」より 著者:上村松園
は何ともなっていなかった。その寺の奥には、寝床、便所、風呂場もある大きな防空壕が
廃墟のように残っている。いずれ支那兵あたりが使用したものであるが、いまはそれも見....