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廃寺
「廃寺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廃寺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悟浄歎異」より 著者:中島敦
々三人は、まったくおかしいくらいそれぞれに違っている。日が暮れて宿がなく、路傍の
廃寺に泊まることに相談が一決するときでも、三人はそれぞれ違った考えのもとに一致し....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
の》の方が定石《じょうせき》の幽霊よりも或る場合には恐ろしい。諷語であるからだ。
廃寺に一夜《いちや》をあかした時、庭前の一本杉の下でカッポレを躍《おど》るものが....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
話のようで、嘘か本当かよく判りませんが、まあそんな噂でした。 高源寺はその後、
廃寺になってしまって、今では跡方もなくなりましたが、一方の林泉寺の縛られ地蔵は昔....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
算哲博士の神秘的な性格から推して、現在の異様な家族関係を考えると、今度は不気味な
廃寺のようにも思われてくるのだった。勿論それ等のどの一つも、臆測が生んだ幻視にす....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら、一般の人民まで、それこそ猫も杓子もというふうにこの勢いを押し進めてしまった。
廃寺は毀たれ、垣は破られ、墳墓は移され、残った礎や欠けた塊が人をしてさながら古戦....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
た勘を、闇太郎は疑わぬ。駆けろ! 駆けろ! 大丈夫、間に合うぞ!
五
女犯
廃寺の泰仁寺――
その荒れ森や、黒い甍《いらか》は、やがて闇太郎の鋭い目の前に....
「おもかげ」より 著者:宮本百合子
と素子とヴェルデル博士と三人で、二|哩《マイル》ばかりはなれた野の中に建っている
廃寺へ壁画を見に行って、ぐるりとその堂の裏手へまわったら、思いがけない灌木の蔭で....
「道標」より 著者:宮本百合子
見に行った。附近の村からはなれて、灌木のしげみにかこまれた小さい空地にある淋しい
廃寺で、ビザンチン風のモザイクの壁画が有名だった。そこを出てぶらぶら来たら、思い....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
っていたことを記憶している。墓には多く誌銘が刻してあった。然るに近い頃に嶺松寺は
廃寺になったというのである。わたくしはこれを聞いて、先ず池田氏の墓を目撃した人を....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
まったところにあるお寺のこんだ」 「寺に女を泊めるのかね」 「なあに、住職なしの
廃寺だね。そこであの女画描は自炊しているという話じゃが、女のくせに大胆なこんだ」....
「金色の秋の暮」より 著者:宮本百合子
の樹木、大根畑や菜畑の軟かい黒土と活々した緑の鮮やかな対照。 九品仏は今は殆ど
廃寺に等しい。本堂の裏に三棟独立した堂宇があり、内に三対ずつの仏像を蔵している。....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
村の入口からちょっと右に外れると、そこに海竜王寺《かいりゅうおうじ》という小さな
廃寺がある。そこの古い四脚門の陰にはいって、思わずほっとしながら、うしろをふりか....
「田舎がえり」より 著者:林芙美子
展《ひら》けていて、新らしい木口《きぐち》の家が沢山建っていた。それでも、時々、
廃寺のような寺があったり、畑や空地《あきち》などがあった。寺の門を配した豪奢《ご....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
べきものは公認教に限るという。 欧州各国、たいてい政府にて寺院保存金を監督し、
廃寺保存の用に備うる方法を設く。英国はもちろん、フランス、プロイセンにもこの方法....
「俳句の作りよう」より 著者:高浜虚子
朗 ゝゝゝ石垣を這ふゝゝゝゝ その女 ゝゝゝ甍這ひ居るゝゝゝゝ 佛座草 ゝゝゝ
廃寺歩むゝゝゝゝ 重太郎 ゝゝゝ飛石歩むゝゝゝゝ 巨雨 ゝゝゝ壁這ひまはるゝ....