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廃物
「廃物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廃物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
食料は一冬事かかぬだけはあっても、金は哀れなほどより貯えがなかった。馬は競馬以来
廃物になっていた。冬の間|稼《かせ》ぎに出れば、その留守に気の弱い妻が小屋から追....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
す。面積一万五千平方マイルのデンマークにとりましては三千平方マイルの曠野は過大の
廃物であります。これを化して良田沃野となして、外に失いしところのものを内にありて....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
。 「ああ、あれはポールのやつだよ。あッはッはッ」 と、ペンは笑った。 「あの
廃物電池は、きっとまた自分で解剖をしていたんだわ。いやらしい男ね」 バラはペッ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
る。 この時代になると不老不死の妙法が発見される。なぜ人間が死ぬかと言えば、老
廃物がたまって、その中毒によるのである。従ってその老
廃物をどしどし排除する方法が....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
の齢の盃を 今この瞬間でなくいつの日にたのしみ得よう? 142 めぐる宇宙は
廃物となったわれらの体躯、 ジェイホンの流れ*は人々の涙の跡、 地獄というのは甲....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
廻転が妙に不規則になって、結局は止まってしまうことになるので、その時計はとうとう
廃物になった。 その後はもう変わったことはなかった。わたしは夜のあけるまで待っ....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
げられていて、黒く固まったかたまりの上に、灰やくさった野菜や、いろいろのきたない
廃物が投げ捨てられてあった。空気はいやなにおいにむせるようであった。その中を荷車....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
道具屋にホコリをかぶっているのを起用して有効適切に女の子を奮起せしめたのだから、
廃物利用としてはマンザラではないではないか。買って帰って子供に授与する方が教育の....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
え、兎に角人の自由を奪うべく縛り上げた捕縄を、人助けの渡しの綱に遣うというのは、
廃物利用にも殊に意味深く覚えられるので有った。 「あれ、私が手繰りますわ」 小....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
吉はついこうつけ加えたが、さすがに顔の赤くなるのを感じた。そのうち弟は兄のかなり
廃物めいた床の間の信玄袋に眼をつけて、 「兄さんの荷物はそれだけなんですか?」と....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
暗黒の群が
項を屈する印だ。」
はあ。もうとげとげしい毛を竪ててふくれるな。
「
廃物奴。
これが読めるか。
かつて芽ざさず、
言挙せられず、
あらゆる天に灌がれ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
られるものでありましょう。 さんげは 心象上の生理作用です。 人間の体の皮膚に老
廃物が溜れば 一つ一つの毛孔がふさがり ついに健康に支障を来すように 人間の心に....
「夏日小味」より 著者:北大路魯山人
、ともに食通をアッと言わすだけの立派な料理であるから、ご存じなき向きは、ゆめゆめ
廃物利用だなんて薄っぺらな頭を持たないで、これこそ立派な意味ある料理だとの首肯か....
「海苔の茶漬け」より 著者:北大路魯山人
年も二年も経って日増せになったのりとか、青のりのまじった生のりの屑だとか、言わば
廃物をもって拵えたのが缶詰や壜詰ののりの佃煮である。悪いのになると、大部分青のり....
「料理は道理を料るもの」より 著者:北大路魯山人
ば漬けものになるし、そのほか、工夫次第でなんにでも重宝に使える。 こんなことを
廃物利用と人は呼んでいるが、大根の皮の部分というものは、元来、
廃物ではない。
廃物....