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廉い
「廉い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廉いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、僕等の住めそうな家はないのだ。」 「どんなのがお望みでござりまするやら、」 「
廉いのが可い、何でも
廉いのが可いんだよ。」 「早瀬さん。」と、夫人が見っともない....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
を停《とど》めて、 「ちょいと小僧さん、石動までいくら? なに十銭だとえ。ふう、
廉いね。その代わりおそいだろう」 沢庵《たくあん》を洗い立てたるように色揚げし....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
ねたように並んでいる。誰か退職官吏の邸らしい。この辺がまだ畑地交りであった時分|
廉い地代ですこし広く買い取って家を建てたのがいつか町中になってしまってうるさくは....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
たら、四百九十三号室に居るわたしを呼んでね。あたし本当はあなた方の相手するような
廉い女じゃ無いんだけど、すっかりこれでしょう。 女は何の飾も無くなった素の手首....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
で巴里へおのこしになって……厳しい立派なおしこみですねえ。それに、為替がたいへん
廉いというではありませんか。大概な金持の子も引き上げさしてしまうというのに、よく....
「秋の修善寺」より 著者:岡本綺堂
違いに来て磬を打つ参詣者があった。 帰り路で、ある店に立ってゆで栗を買うと実に
廉い。わたしばかりでなく、東京の客はみな驚くだろうと思われた。宿に帰って読書、障....
「我楽多玩具」より 著者:岡本綺堂
数え切れません、いずれも張子でした。 方々の縁日には玩具店が沢山出ていました。
廉いのは択取り百文、高いのは二銭八厘。なぜこの八厘という端銭を附けるのか知りませ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る檜舞台の大劇場であるのに、それが二回九銭で見物できるというのであるから、確かに
廉いに相違ない。それが大評判となって、毎月爪も立たないような大入りを占めた。 ....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
ら……。」 文字友は人々にむかって、この鯉を一朱で売ってくれと掛合った。一朱は
廉いと思ったが、実はその処分に困っているところであるのと、一方の相手が旗本の息子....
「青蛙神」より 著者:岡本綺堂
んだから、どうしても繁昌するわけですよ。 中二 支那の書物も、このごろは上海版の
廉いものが続々発行されるので、自然買い手も多いんです。 高田 上海版といえば、捜....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
大きい握り飯を一つこしらえてやると、彼はきっと一文の銭を置いて行く。いくら物価の
廉い時代でも、大きい握り飯ひとつの値が一文では引合わないわけであるが、平助の方で....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
。もちろん約束通りに一週間分の間代を払って来たが、そのくらいのことで逃げ出せれば
廉いものさ」 「不思議だね」と、わたしは言った。「そう聞くと、僕はぜひその化け物....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
視ました。 「うちのじいやが村まで降りて買って来るのです。なに、ここらでは非常に
廉いものですよ。」 関井さんの笑い顔の寂しいのがわたくしの眼につきました。関井....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
と月ほども前から城下の里へ売りに来ていたもので、それを買う人びとも品がよくて価の
廉いのを内々不思議に思っていたのであるが、さてその正体があらわれると、その油を食....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
、果たして一両日の後にたくさんの材木を運ばせて来ました。しかも木地が良くて、値が
廉いので、徐は大喜びで取引きをしました。 それでもうこの土地にいる必要もないの....