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廉価
「廉価〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廉価の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「食魔」より 著者:岡本かの子
。貧弱な奴等だ」 鼈四郎は、軽蔑し切った顔をしたけれども、ふだん家族のものには
廉価なものしか食べることを許さぬ彼は、家族が自分の掟通りにしていることに、いくら....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
には五、六匹の大きい犬に取りまかれて、実に弱り切ったことがあった。そういう難儀も
廉価の芝居見物には代えられないので、わたしは約四年間を根よく通いつづけた。その頃....
「分配」より 著者:島崎藤村
小売店の軒先にも、市中を練り歩く広告夫の背中にまで見つけた。この思い切った宣伝が
廉価出版の気勢を添えて、最初の計画ではせいぜい二三万のものだろうと言われていたの....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
の方をおろそかにして、お得意に迷惑をかける様ではなおさらのことである。 良品を
廉価に売りさえすれば繁昌するは当然の成り行きでありますが、なおそのほかに繁昌に大....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
である。そこで、モンセーニュールは、修道院にいる彼の妹を、彼女が身に著け得る最も
廉価な衣装である面紗をかぶる★のが差迫っているのを断るにまだ時がある間に、そこか....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
なことも其原因の一つであるらしい。尤も、それは大店だけのことだが、市内で、比較的
廉価な遊びが出来るものだから、わざ/\遠くまで出張に及んで高い金を払ふ必要がない....
「支那の思出」より 著者:国枝史郎
売っている支那の大根漬ほど美味の漬物を、まだ私は他で味わったことが無い。しかも又
廉価であるのにも驚かされた。そうして、それを売っている老人や、老婆の不潔なのにも....
「幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
その中には有名な「北斎漫画」などもございましたが、その時代のことですから、非常な
廉価で買い得られたわけで、何しろ小銭をちょっとひと握りして行けば、そうした古書を....
「岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
編集部より岩波文庫について語れとの話ですから、思いつくままを申し上げます。現在は文庫時代ともいってよいほど各種の
廉価版が行なわれ、どこにおいても欲しいものが自由に求められることになっているが、....
「三崎町の原」より 著者:岡本綺堂
には五、六匹の大きい犬に取りまかれて、実に弱り切ったことがあった。そういう難儀も
廉価の芝居見物には代えられないので、わたしは約四年間を根よく通いつづけた。その頃....
「読書雑感」より 著者:岡本綺堂
本が自由に読まれるというのは、どう考えても有難いことである。 趣味からいえば、
廉価版の安っぽい書物は感じが悪いという。それも一応はもっともであるが、読書趣味の....
「夜寒に火を囲んで懐しい雑炊」より 著者:北大路魯山人
話にならないが、納豆好きだとすれば、こんなに簡単に、こんなに調子の高い、こんなに
廉価な雑炊はないといったくらいのものである。これも前と同じく、お粥を拵えて、粥の....
「書を愛して書を持たず」より 著者:小川未明
なと思うものがあると求めるのがありますが、旧いものは、これは何々文庫というような
廉価本で用を達しています。読んでしまえば、それでいゝようなものゝ、性来の潔癖もあ....
「三百年後」より 著者:小倉金之助
をば高価にして、保存の出来ない質の紙に印刷するがよい。これに反して、立派な本をば
廉価にして、永久性ある紙質を用うべきである。 これが、この歳になって、やっと悟....
「生き烏賊白味噌漬け」より 著者:北大路魯山人
でまず例外である。白味噌漬けというものは元来高級品であり、且つ味噌そのものからが
廉価ではないから、下らない魚類を漬けることは許されないわけである。ところがいかと....