廉潔[語句情報] »
廉潔
「廉潔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廉潔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
禁固を喰う。償勤兵とならなければならない。それが内地に於ける軍人である。軍人は清
廉潔白でなければならない。ところが、その約束が、ここでは解放されているのだ。兵士....
「黄英」より 著者:田中貢太郎
れから一晩おきに黄英の方へ往くのが例になった。黄英は笑って、 「東食西宿ですね、
廉潔な人はこんなことをしないでしょうね」 と言った。馬もまた自分で笑って返事が....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
意を固めてしまった。 けれども青砥は、決して卑しい守銭奴ではない。質素倹約、清
廉潔白の官吏である。一汁一菜、しかも、日に三度などは食べない。一日に一度たべるだ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
。」 一同また大笑いをした。 「ふうむ、して見ると、諸君のうちでは結局僕が一番
廉潔なんだね」と、最初の話手は云った。「僕はこれまでまだ一度も黒い手嚢を嵌めたこ....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
りたいばっかりに、自分から進んで未来の妻を譲ろうとしているからだ。しかもそれを清
廉潔白な気持でやっているのだから、注目に値するよ。いや、全くそろいもそろって因果....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をよく見分けていた。もちろん、クリストフのすぐれてることはよく認めていたし、彼の
廉潔さにたいして多少皮肉な一種の同情さえいだいてるようだった。しかし彼はそれを利....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
たので、劇場で隣り合った不行儀な多少狂気じみたその青年のうちに、自分と同じような
廉潔さと一種の男々《おお》しい善良さとを見てとった。そしてその思い出だけでも彼女....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
るべき深淵をいかにたちまちの間にこしらえることか。
そういうのが、このはるかな
廉潔な時代の客間のありさまであった。そしてそこでは、マルタンヴィル氏はヴォルテー....
「中庸」より 著者:坂口安吾
務については一切大佐に御迷惑はおかけしないという約束ではないか。そもそも大佐は清
廉潔白、身を持すること厳格、軍人中にあっても亀鑑と申すべき謹直無比の将軍である。....
「端午節」より 著者:井上紅梅
ものが残っていた。それは官俸の方がすこぶる停滞していたからで、こうなるといくら清
廉潔白の官吏でも、月給を催促しないではいられない。ましてや教員を兼ねた方玄綽は、....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
そのあげくに迫害される。そればかりかそのあげくには、あいつばかりがこんな時世に、
廉潔を保っているなんて、途方もない売名家だ。逆行して名を売ろうとしているのだ。あ....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
分に洩れず没分暁漢の悪童で馬琴を撲ったり叩いたりした。そうでなくてさえ豪毅一徹清
廉潔白の馬琴である。憤然として袖を払い、 木がらしに思い立ちけり神の旅 こうい....
「血ぬられた懐刀」より 著者:国枝史郎
某も平素より尊敬いたし居ります。ご子息の貴殿のお噂も、兼々承わって居りました。清
廉潔白でおわすとのこと、これまた敬意を払っていました。……ただ今立ち聞きいたしま....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
島田沼南は大政治家として葬られた。清
廉潔白百年|稀に見る君子人として世を挙げて哀悼された。棺を蓋うて定まる批評は燦爛....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
り私は一|文も所有っちゃおらんので。』 ミハイル、アウエリヤヌイチはドクトルの
廉潔で、正直であるのは予ても知っていたが、しかしそれにしても、二万|円位は確に所....