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廉直
「廉直〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廉直の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
が、風采も立派であり、談話も巧みであり、酒も飲み、鞠も蹴る。それで職務にかけては
廉直というのであるから申し分がない。州の太守も彼を認めて、将来は大いに登庸しよう....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
まうこと、多くは僻事なり。これその悪しき所なり。勇猛にして無欲清浄にして器量大、
廉直にして隠すところなく、明敏にして能く察し、慈恵にして下を育す、好みて忠諫を容....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
と紀律のきびしくないことで、船のなかでも目立っています。この男の誰でも知っている
廉直さや恐れを知らぬ勇気にかてて加えて、こういう事情があったので、どうしてもこの....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
その上、干戈をもって日本を横領する内々の所存にて参りし儀と存じ候。右参り候ものは
廉直のものにこれなく、反逆いたす見込みのものゆえ、その人物も推し量られ申し候。幸....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
を張り上げてそれを読み出した。 「下谷高岸寺に、ある頃弟子僧二人あり。一人は律義
廉直にして、専ら寺徳をなす。一人は戒行を保たで、大酒を好み、あまつさへ争論止まず....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
てこれを紛らしている。ここにおいてか奸物共は衣食に飽き、正義の人は衣食に窮する。
廉直なる方針を取る地方の新聞紙、芝居、学校、公会演説、教育ある人間の団結、これら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
歯がぬけ、手入れの届かない髯《ひげ》を絶えず手でしごいていた。ごく善人で、かなり
廉直で、きわめて道徳家だったので、クリストフの祖父とはよく気が合っていた。祖父に....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
教は何事においても常にまたその時々に、正当、真実、公平、聡明《そうめい》、謙譲、
廉直であった。恵み深く、また慈恵の一種なる親切でもあった。彼は一個の牧師で、一個....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ーフ氏は楽しい空想にふけった。
五 悲惨の隣の親切なる貧困
マリユスはその
廉直な老人を好んだ。老人は徐々に窮乏のうちに陥ってゆくのに気づき、しだいに驚いて....
「相馬の仇討」より 著者:直木三十五
一 「軍右衛門、
廉直にして」、「九郎右衛門|後《のち》に講釈師となる」
廉直などと云う形容詞で....
「寒の梅」より 著者:宮本百合子
ことでない」という意味の答をする。私にはあの一句がどうも忘られない。彼女のような
廉直なひとに、彌次馬的なわいわい騒ぎや、女だということについての物見高さや、俄な....
「経済学及び課税の諸原理」より 著者:吉田秀夫
されかつ言い表わされている。
しかしこの考察を別にしても、政治的功利が政治的
廉直を犠牲にして何物かを得るであろうということは、決して確実ではない。国債の利子....