»
廊下
「廊下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廊下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
した。お鈴ははっきりと彼女の背中にお芳の来ることを感じながら、雪のある庭に向った
廊下をそわそわ「離れ」へ急いで行った。
「離れ」は明るい
廊下から突然はいって来た....
「母」より 著者:芥川竜之介
あかれんが》にかすかな苔《こけ》の生えた、逆光線の家が聳えている。薄暗いこちらの
廊下《ろうか》にいると、出窓はこの家を背景にした、大きい一枚の画《え》のように見....
「影」より 著者:芥川竜之介
うに耳を当てながら、じっと容子を窺《うかが》っている彼自身を発見した。寝室の外の
廊下には、息のつまるような暗闇が、一面にあたりを封じていた。その中《うち》にただ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
ま、彼と握手を交して、それからこの秘密臭い薄暮《はくぼ》の書斎を更にうす暗い外の
廊下へ、そっと独りで退きました。すると思いがけなくその戸口には、誰やら黒い人影が....
「河童」より 著者:芥川竜之介
疲れていましたから、ラップといっしょに長老に従い、香《こう》の匂《にお》いのする
廊下伝いにある部屋《へや》へはいりました。そのまた小さい部屋の隅《すみ》には黒い....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
家は、幕府の制度によると、五世《ごせ》、加賀守綱紀《かがのかみつなのり》以来、大
廊下詰《おおろうかづめ》で、席次は、世々|尾紀水三家《びきすいさんけ》の次を占め....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
たが、祖母はすぐにその手を引いて、うす暗い雪洞《ぼんぼり》に人気《ひとけ》のない
廊下《ろうか》を照らしながら、昼でも滅多にはいった事のない土蔵《どぞう》へお栄を....
「年末の一日」より 著者:芥川竜之介
僕にからかうように「お前、もう十二時ですよ」と言った。成程十二時に違いなかった。
廊下を抜けた茶の間にはいつか古い長火鉢の前に昼飯の支度も出来上っていた。のみなら....
「青年と死」より 著者:芥川竜之介
いてしまいました。
――まだその隅がのこっているわ。(砂をまく)
――今度は
廊下をまきましょう。(皆去る)
×
青年が二人|蝋燭《ろう....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
女の心に異常な感動を与えました。だからこそ女は説教がすむと、眼に涙をためたまま、
廊下《ろうか》伝いに本堂から、すぐに庫裡へ急いで来たのです。
「委細《いさい》を....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ある。
わたしは歴史を翻えす度に、遊就館を想《おも》うことを禁じ得ない。過去の
廊下には薄暗い中にさまざまの正義が陳列してある。青竜刀に似ているのは儒教《じゅき....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
ょう?」
「いいえ、……何かあったのですか?」
「あの気の違った男の方がいきなり
廊下《ろうか》へ駈《か》け出したりなすったものですから。」
「そんなことがあった....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
れた。――
肩がはる。頭痛がする。日頃好んでする書見にさえ、身がはいらない。
廊下《ろうか》を通る人の足音とか、家中《かちゅう》の者の話声とかが聞えただけで、....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
た。 やっと晩餐のすんだ後、僕は前にとって置いた僕の部屋へこもる為に人気のない
廊下を歩いて行った。
廊下は僕にはホテルよりも監獄らしい感じを与えるものだった。し....
「夏目先生と滝田さん」より 著者:芥川竜之介
集癖は大分薄らいだようです。最後に会ったのはたしか四五月頃でしたか、新橋演舞場の
廊下で誰か後から僕の名を呼ぶのでふり返って見ても暫く誰だか分らなかった。あの大き....