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廓内
「廓内〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廓内の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「星座」より 著者:有島武郎
夢中ですりぬけながら、ガンベといっしょに来た時のように制帽を懐ろにたくしこんだ。
廓内の往来に出ると、暖かい黄色い灯の光に柿江は眩《まぶ》しく取り巻かれていた。彼....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
る箱の中から巾着を盗み出し、戸外《そと》へ出ると直《すぐ》に駕籠に乗って飛ばして
廓内《なか》へ這入り西河岸の桔梗屋という遊女屋へあがりました。 勘「久しく様子....
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
と見廻したが、その顔はそこらに見えなかった。栄之丞はほかの手負《てお》いと一緒に
廓内の医者の手当てを受けに連れて行かれていた。 次郎左衛門の終りはあらためて説....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
少し不思議なお話があります。慶応三年十二月十三日、歩兵隊が吉原で喧嘩をはじめて、
廓内の者や弥次馬に取り囲まれ、十幾人が半死半生の袋叩きに逢いました。そのなかには....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
一 明治三十年三月十五日の暁方に、吉原|仲の町の引手茶屋桐半の裏手から出火して、
廓内百六十戸ほどを焼いたことがある。無論に引手茶屋ばかりでなく、貸座敷も大半は煙....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
へ納めたのだそうですが、それから百年ほど経って、明和五年四月六日の大火で、よし原
廓内は全焼、その近所もだいぶ焼けました。猫を葬った寺もその火事で焼けて、それっき....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なずいた。かれは三五郎と松吉にささやいて、異人と二人の男とのあとを追ってゆくと、
廓内はいろいろ人の出盛る時刻となって、ややもすると其の混雑のなかで相手を見うしな....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
』ノ墓穴ニ関スル重要書類ハ紛失シ、只本国ヘ送リタル二三ノ通信ト『パチノ』ノ墓穴|
廓内ノ建築図トヲ残スノミナリ――というのです。聞いてますか、青竜王」 「イヤ熱心....
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ました。大次郎は今年二十二で、ふだんから殿さまのお供をして吉原へゆく者ですから、
廓内の勝手はよく心得ています。たゞ困ったことには、この人も雷嫌いで、稲妻がぴかり....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
きください。 まことにお恥かしいことでございますが、その頃わたくしの家は吉原の
廓内にありまして、引手茶屋を商売にいたしておりました。江戸の昔には、吉原の妓楼や....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
へえ。三ツ屋の亭主ならば手前でござります。いつもながら御健勝に渡らせられまして、
廓内の者一統悦ばしき儀にござります。近頃は一向イタチの道で、いや、一向五丁町へお....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
少しなりともお分りになりましたら、あのその筋道の分らない二三の丸、本丸、太閤丸、
廓内、御家中の世間へなど、もうお帰りなさいますな。白銀、黄金、球、珊瑚、千石万石....
「三甚内」より 著者:国枝史郎
ってもモテルのであった。通された常時の座敷というは、この時代に珍らしい三層楼で、
廓内の様子が一眼に見える。 やがて山海の珍味が並ぶ。 山海の珍味と云ったとこ....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
が座敷牢を包み、人気は全く絶えてしまった。 それから少時の時が経った。 同じ
廓内の一所に、奥家老松浦頼母の屋敷が、月夜に厳めしく立っていた。その屋敷の北の隅....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
えけれども、厭じゃあねえか、恐しい。 引くるめて謂や、こっちも一挺なくなって、
廓内じゃあきっと何楼かで一挺だけ多くなる勘定だね。御入用のお客様はどなただか早や....