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廓外
「廓外〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廓外の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
いと盛大して、遂に遊廓の衰靡を来たしたので、時の幕府に哀訴して葭町の菊弥を初め、
廓外の芸者を構うて貰い、江戸市中に三人とか七人とかしかお構いなしのシャを残さなか....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
嗅剤で気附薬にしたもの。 〔第五章 酒店〕 サン・タントワヌ パリーの東方の
廓外、バスティーユ牢獄とセーヌ河との間の一区域。下層階級の住んでいた地域であった....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
に居る分にゃあうっかり外へ出めえよ、実は、」 と声を密めながら、 「ここいらは
廓外で、お物見下のような処だから、いや遣手だわ、新造だわ、その妹だわ、破落戸の兄....
「上野」より 著者:永井荷風
トン》ド三丁余。之ヲ七箇町ニ分割ス。則曰ク七軒町、曰ク宮永町、曰ク片町等ハ倶ニ皆
廓外ニシテ旧来ノ商坊ナリ。曰ク藍染町、曰ク清水町、曰ク八重垣町等ハ僉《ミナ》廓内....
「草紅葉」より 著者:永井荷風
名古屋に、一人は札幌に行った話をきいた。栄子はその後万才なにがしの女房になって、
廓外《くるわそと》の路地にはいないような噂を耳にした。わたくしは栄子が父母と共に....
「里の今昔」より 著者:永井荷風
『註文帳』の中に現れ来る人物や事件によっても窺い知ることが出来る。 『註文帳』は
廓外の寮に住んでいる娼家の娘が剃刀《かみそり》の祟《たたり》でその恋人を刺す話を....
「水のながれ」より 著者:永井荷風
な天侯にも決して汎濫《はんらん》する恐れがなくなったためかとも思われる。吉原の遊
廓外《くるわそと》にあった日本堤《にほんづつみ》の取崩されて平かな道路になったの....
「濹東綺譚」より 著者:永井荷風
、この店をたずねるのは古本の為《ため》ではなく、古本を鬻《ひさ》ぐ亭主の人柄と、
廓外《くるわそと》の裏町という情味との為である。 主人《あるじ》は頭を綺麗に剃....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
置や、天守などへ、転々とうごいてゆくところを見ると、その筆の先は、伏見城の地理と
廓外廓内の眼づもりを、絵図に写っているにちがいなかった。 関ヶ原の戦の直前に、....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
て来ました」
「さっきの裏口から?」
「うむ」
「どこへ行って来たんですか」
「
廓外まで」
「いい人と、約束があったんでしょう、太夫様へいいつけて上げよう――」....