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廠
「廠〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廠の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
はしないかとも思われる。その退屈な空の下で、高架《こうか》鉄道を汽車が通る。被服
廠《ひふくしょう》へ通う荷馬車が通る。店の戸が一つずつ開《あ》く。自分のいる停車....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
いましたが。」と、答えた事があるそうです。
そのほかまだ数え立てれば、砲兵|工
廠《こうしょう》の煙突の煙が、風向きに逆って流れたり、撞《つ》く人もないニコライ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
が、これは播種時《たねまきどき》から事務所と契約して、事務所から一手に陸軍|糧秣
廠《りょうまつしょう》に納める事になっていた。その方が競争して商人に売るのよりも....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
ようでございます。)と云う意味になる。 で、安からぬ心地がする。突当りの砲兵工
廠の夜の光景は、楽天的に視ると、向島の花盛を幻燈で中空へ顕わしたようで、轟々と轟....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
るそうじゃが、其処で考えたことがある。お前達も知っているとおり、わしは元、海軍工
廠に勤めていたものの、不幸にもウィンチが切れ、灼鉄が高い所から、工場の床にドッと....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
た。 この頃写真の現像、焼付、引伸ばし、みんな自分でやっている。 ◯陸軍軍需本
廠研究部へ売却することとなった学術書籍及び雑誌を、今日先方からとりに見える。学生....
「怪塔王」より 著者:海野十三
ょう。そうです、軍艦淡路は、帝国海軍が世界にほこる実にりっぱな戦艦であります。工
廠で作りあげられ、海をはしるようになってからまだ一箇月にもなりません。いままでの....
「東京要塞」より 著者:海野十三
て、忠魂記念塔の到着を披露し、 「――どうか御安心下さい。本国から随伴してきた工
廠技師の厳密な試験によりまして、七個からなる忠魂塔の各区分には、いささかの罅も入....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
るが、あれは実に見事な運転ぶりを示している。一たいカワカミなんかに、英国海軍|工
廠が秘密に建造したディーゼル・エンジンの運転ができるはずがないではないか。あれは....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
しの住んでいた本所の緑町はすっかり焼けてしまったうえに、町内の人たちは、みな被服
廠へ避難したところが、ひどい旋風に遭って、十万人もが残らず死んでしまったといいま....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
で御装束。 雷神山の急昇りな坂を上って、一畝り、町裏の路地の隅、およそ礫川の工
廠ぐらいは空地を取って、周囲はまだも広かろう。町も世界も離れたような、一廓の蒼空....
「一老人」より 著者:犬田卯
そう言ってやはり泣き出したという。ある家へ行っては、「自分は失職しない前、砲兵工
廠につとめて、何とかいう大佐から感状をいただいたこともある。しかるに現在は、安心....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
、あらゆる問題が利権の対象となっておるのであります。只見川問題といい、四日市燃料
廠問題といい、炭鉱住宅問題といい、一つとして利権とつながらざるものはございません....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
は、二人の息子がすでに他界したことである。二男賛次郎は大戦中陸軍大尉の資格で糧秣
廠に通っていたが、疲労のため昭和十九年四月八日病没。長男庸太郎も三十三年三月十四....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
お竹倉」に近い小泉町である。「お竹倉」は僕の中学時代にもう両国停車場や陸軍|被服
廠に変ってしまった。しかし僕の小学時代にはまだ「大溝」にかこまれた、雑木林や竹藪....