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延びる
「延びる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
延びるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
を振り切りながら、高塀の外へ逃げ出しました。
しかし半町《はんちょう》ほど逃げ
延びると、わたしはある軒下《のきした》に隠れながら、往来の前後を見廻しました。往....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
じょう》を致しました時、すんでに命も取られる所を、あなた様の御かげによって、落ち
延びる事が出来ました。その御恩を思いますと、あなた様の仰有《おっしゃ》る事に、い....
「愛撫」より 著者:梶井基次郎
さない限り、われわれのアンニュイのなかに、外観上の年齢を遙《はる》かにながく生き
延びる。とっくに分別のできた大人が、今もなお熱心に――厚紙でサンドウィッチのよう....
「無名作家の日記」より 著者:菊池寛
、ついには人間が死に絶えてしまう。が、地中に住んでいる蚯蚓《みみず》は、案外生き
延びるかも知れない。そうするとシェークスピアの戯曲や、ミケランジェロの彫刻は蚯蚓....
「若返り薬」より 著者:海若藍平
飲むと一年、二粒飲むと十年、三粒飲むと百年、四粒飲むと千年、五粒飲むと一万年生き
延びるのです。もし今日あなたのお祖父様《じいさま》が御病気になられて、この薬を飲....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
れるであろう。それを思うと、かれは命が惜しくなった。一日でも生きられるだけは生き
延びるのが親孝行であると思い直して、かれは人に覚られないのを幸いに自分の家に逃げ....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
と信ずるものである。もし三十年内外に最終戦争が来ないで、五十年、七十年、百年後に
延びることがあっても、国家にとって少しも損害にならないのであるが、仮に三十年後に....
「大阪夏之陣」より 著者:菊池寛
死ぬのを待っていたなど云うが、しかし家康だって神様じゃないし、自分が七十三迄生き
延びる事に確信はなかっただろうと思う。 もし、豊家に人が在って、自発的に和州郡....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
当然である。家も人も滅ぶべく死すべき時到らば、潔く振舞うこそよけれ、何条汚く生き
延びることを計らんやと。信幸怒って将に幸村を斬らんとした。幸村は、首を刎ねること....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
たらば親父に話して、今後は鶉捕りの商売をやめろと言え。そうすれば、おまえの寿命も
延びることになる」 張はそれを聞いて、即刻に殺生のわざをやめることにした。彼は....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
ドをあげるために努力していますから、それに成功すれば、この時間のよゆうは、もっと
延びるはずであります。まだ非常配置につかない者は、全力をあげていそいで配置につい....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
てしまう。僕は巣鴨に囚われる。そしてしばらくするうちに、余罪で、思いの外に刑期が
延びる。雑誌は人手に渡してしまう。足下は病む。かくして悲しかった六カ月は過ぎた。....
「風波」より 著者:井上紅梅
「お前さん、早くおまんまを食べておしまいなさいよ。泣きっ面をしたって今さら辮子が
延びるもんじゃない」 太陽は末端の光線を収め尽して、水面はしのびやかに涼気を囘....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
がて可愛らしい双葉となった。 「これは変だ」「どうしたというのだ」「こう早く草が
延びるとは妙だ」と、たかっていた人々は、恐ろしさのあまり飛退いた。双葉はぐんぐん....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
けるという運びになるのであるから、万事が予定の通りにゆかない。したがって、初日の
延びる場合もある。当てにしていた資金が調わないで、とうとう無期延期になってしまう....