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「延び延び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

延び延びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
ばか》りながらも、まじまじとおぬいさんを眺めなおさずにはいられなくなった。骨節の延び延びとした、やや痩せぎすのしなやかさは十六七の娘という方が適当かもしれないが....
岩石の間」より 著者:島崎藤村
に心地よさそうに入っていた。硝子《ガラス》戸の外には葡萄《ぶどう》の蔓《つる》も延び延びとして、林檎《りんご》の植えられた畠なども見える。 「子安君はナカナカ好....
刺繍」より 著者:島崎藤村
》や掻巻《かいまき》にくるまって曲《かが》んでいた彼の年老いた身体が、復《ま》た延び延びして来た。寝心地の好い時だ。手も、足も、だるかった。彼は臥床《ねどこ》の....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
。それが、警察へ行くたびに、あしたやる、あさってやる、という調子でごく小きざみに延び延びになって、一カ月あまり過ぎた。むしゃくしゃもする。もうメーデーも近づく。....
獄中記」より 著者:大杉栄
いろんな役人どもにしきりに胡麻をすって、そのお蔭で大ぶ可愛がられて、死刑の執行が延び延びになっているのもそのためだなぞという話だった。面会所のそばの、自分の番の....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
の顔も、随分美しいものであった。男のような高い鼻、凛々しく引き締まった大型の口、延び延びと引かれた長い眉、それより何より特色的なのは「神秘」という言葉を如実に示....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
といい明後日と云い、何の手筈がまだ調わぬ、彼の用意がまだ成らぬと、企を起してより延び延びの月日、人々の智慧才覚は然もあろうが、丹下右膳は倦じ果て申した。臙脂屋の....
家なき子」より 著者:楠山正雄
だかもしれないよ」 「だが……あとでは」 「ああ、だんだんそのうちに時がたって、延び延びになってしまったのだよ」 「いったいいくつになったのだ」 「八つさ」 「....
日月様」より 著者:坂口安吾
るのも敏感なものよ」 話しだすと、先刻までの押し黙った陰鬱さは薄れて、女は案外延び延びと気楽であった。 然し、私には、どうも解せなかった。病院へ麻薬を持って....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
、時々すすめをうけたが、新聞小説というと、どうもオックウだ。もう、ちょッと、と、延び延びになっていたが、にわかに書いてみたくなったのである。 なにぶん、新聞小....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
も出かけましたね。再びどッと床につき、今度はいつまでも微熱が去らない。吉野旅行が延び延びとなり、ついに意を決しペニシリンと注射器一式にダイヤジンをぶらさげて吉野....
あゝ二十年」より 著者:上村松園
、一月が一年になり、二年三年五年七年と、思わぬうちに歳月が流れさり、つい今日まで延び延びになりまして、一層|恐懼いたしておるしだいでございます。 もっともその....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
と、箱根の湯治場廻りに出かける腹を極めていたにも拘らず、二日が三日、三日が五日と延び延びになって、きょうもまだその目的を達することが出来ない始末。それに、正月と....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
いるのだった。エセックスはこの商船隊を拿捕することを命じたが、属僚たちの間で事は延び延びになっていた。そして不幸な公爵は、この間に乗じてなすべき事を思いついたの....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
待兼だ。 中務卿 今もお上がお尋があった。殿様のお顔にも 掛かる事だから、延び延びにしないで下さい。 メフィストフェレス そのために仲間が行ってい....