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「延べ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

延べの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
銭《こぜに》を探りながら、女の指へ顋《あご》を向けた。そこにはすでに二年前から、延べの金《きん》の両端《りょうはし》を抱《だ》かせた、約婚の指環が嵌《はま》って....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た、絹や毛皮の寝床の中に、たった一人横になっていた。寝床には菅畳《すがだたみ》を延べる代りに、堆《うずたか》く桃《もも》の花が敷いてあった。昨日《きのう》から洞....
或る女」より 著者:有島武郎
旅ですが、何、もうこれだけ日本が遠くなりましたんだ」 といってその船員は右手を延べて居留地の鼻を指さした。がっしりした肩をゆすって、勢いよく水平に延ばしたその....
或る女」より 著者:有島武郎
わ」 倉地はやはり物たるげに、袖口《そでぐち》からにょきんと現われ出た太い腕を延べて、短い散切《ざんぎ》り頭をごしごしとかき回しながら、 「横浜?……横浜には....
星座」より 著者:有島武郎
以上にみだらな色彩をもって思いやられた。彼よりも先に床にあって、彼の方に手をさし延べて彼を誘った女、童貞であるとの彼の正直な告白を聞くと、異常な興味を現わして彼....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
あそばせ、ちょいと御免あそばせ」 あわただしく木戸口に走り出で、項《うなじ》を延べて目送せり。その視線中に御者体の壮佼《わかもの》あり。 何事や起こりたると....
浜菊」より 著者:伊藤左千夫
する。火鉢の側《そば》な障子があく。おしろい真白な婦人が、二皿の粽を及び腰に手を延べて茶ぶ台の上に出した。予は細君と合点してるが、初めてであるから岡村の引合せを....
去年」より 著者:伊藤左千夫
ない理屈を思い出して、一時の気安めになるのも、実は払わねばならぬものは払い、言い延べのできるものは言い延べてしまった、月と月との間ぎわ少しのあいだのことだ。収入....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
を押せば、がたがたと音したるが、急にずらりと開く。婦人は上框に立ちたるまま、腕を延べたる半身、斜に狭き沓脱の上に蔽われかかれる。その袖の下を掻潜りて、衝と摺抜け....
黒百合」より 著者:泉鏡花
、この時の姿であった、今のは疑も無いお雪である。 これを聞いて渠は思わず手を差延べて、抱こうとしたが、触れば消失せるであろうと思って、悚然として膝に置いたが、....
燕と王子」より 著者:有島武郎
わかいうちに病気でなくなられたので、王様と皇后がたいそう悲しまれて青銅の上に金の延べ板をかぶせてその立像を造り記念のために町の目ぬきの所にそれをお立てになったの....
取舵」より 著者:泉鏡花
い、もし、誠に申兼ねましたが、小用場はどこでございましょうかなあ。」 渠は頸を延べ、耳を欹てて誨を俟てり。答うる者はあらで、婦女の呻く声のみ微々と聞えつ。 ....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ません。これを預けたさに、と小さな声で謂いましたね。青い襦袢の中から、細い手を差延べたから、何か知らんが大変だ、幽霊の押着ものなんざ恐しい、突退けようと向うへ突....
式部小路」より 著者:泉鏡花
、お夏さんの前途を他所ながら見届けるまでは居坐って動きません。」 「私も退院の日延べをする。そこで、そこで竹永さん、関戸の邸の、もみじの下で、その最中を食べてか....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ります。その期間五年六カ月に及んでおります。そうして、その任命せる大臣六十余名、延べ百三十余名といわれ、吉田総理のワン・マンぶりは徹底して、すでに民心は吉田内閣....