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延焼
「延焼〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
延焼の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
太い指を動かした。「淀橋区、四谷区は、大半焼け尽しました。品川区、荏原区は、目下
延焼中であります。下町方面は、むしろ、小康状態に入りました」 「放送局との連絡は....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
なろう。 三月十四日 ◯浅草へ行って三月十日の空襲のあとを見る。震災に比べて、
延焼の時間が短かかったので(震災は三日間で焼け、今度は六時間位で焼けた)惨害もひ....
「運命」より 著者:幸田露伴
として逼らず、晏如として※、辺土の黠豪等、或は虚に乗じて事を挙ぐるあらば、星火も
延焼して、燎原の勢を成すに至らんことを虞るるに似たり。此も亦愛民憂世の念、おのず....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
蔵は西の蛤御門、中立売御門の方面にわくような砲声を聞き、やがて室町付近より洛中に
延焼した火災の囲みの中にいたとある。 今度の京都の出来事を注意して見るものには....
「青蛙神」より 著者:田中貢太郎
を出した。十娘はすぐに出て往ったが、翌日になって崑の家は母屋から火が出て幾棟かに
延焼し、几案牀榻、何もかも灰になってしまった。崑は怒って蛙神の祠へ往って言った。....
「からすうりの花と蛾」より 著者:寺田寅彦
事することができれば、たとえ水道は止まってしまっても破壊消防の方法によって確実に
延焼を防ぎ止めることができるであろうと思われる。 これはきわめて大ざっぱな目の....
「函館の大火について」より 著者:寺田寅彦
資料は乏しいのであるが、内務省警保局発表と称する新聞記事によると発火地点や時刻や
延焼区域のきわめてだいたいの状況を知ることはできるようである。まず何よりもこの大....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ば、貴重な機械は完全に壊れるうえに、火災が起っても、人手が足りないから、どんどん
延焼していきます」 「だがなあ、ワイコフ。午後四時の作業中に爆発をやった方がもっ....
「雷」より 著者:海野十三
焼雲が美しく輝きはじめた。 油店からの火災も、附近数百を焼いただけで、それ以上
延焼することもなく幸いに鎮火した。調査の結果によると比野町での落雷は意外に少く、....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
事することが出来れば、たとえ水道は止まってしまっても破壊消防の方法によって確実に
延焼を防ぎ止めることが出来るであろうと思われる。 これは極めて大ざっぱな目の子....
「雪の宿り」より 著者:神西清
います。これも夜火でございましたが、粟田口の花頂|青蓮院、北は岡崎の元応寺までも
延焼いたし、丈余の火柱が赤々と東山の空を焦がす有様は凄まじくも美麗な眺めでござい....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
に出火致しましたのが神田旅籠町から佐久間町を残らず焼払い遂に浅草|茅町二丁目まで
延焼し、見附を越して両国へ飛火致し、両国一面火になって、馬喰町を焼き、横山町三丁....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
れで雷門から蔵前の取っ付きまで綺麗に焼き払ってしまった上、さらに花川戸から馬道に
延焼し、芝居町まで焼け込んで行きました。三座は確か類焼の難はのがれたように思いま....
「瘠我慢の説」より 著者:木村芥舟
すでに数百に達し、また旧日の比にあらず。或夜、神明社の辺より失火し、予が門前まで
延焼せり。先生の居、同じく戒心あるにもかかわらず、数十の生徒を伴い跣足率先して池....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
男のもと雇われおりし家の厠より起これり。けだし、放火なりしとぞ。幸いに、本屋へは
延焼せずに打ち消しぬ。ここに奇とすべきは、その男、その夜うなされおりしは、すなわ....