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延着
「延着〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
延着の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
学生。赤毛布。オラア、オッタマゲタ。きたない歯。日本には汽車がありますの? 送金
延着への絶えざる不安。その憂鬱と屈辱と孤独と、それをどの「洋行者」が書いていたろ....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に至るも、まだその姿を見せず。昨日の空襲で豊橋―掛川間が不通となった事故のための
延着かと思っていたが、この分ではそうでもなさそうに見える。 ◯昨日、日大山田君来....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
だろうと云う人もある。午前十一時までに目的地のランスに到着する筈の列車が二時間も
延着して、午後一時を過ぎる頃にようようその停車場にゆき着いたので、待ち兼ねていた....
「ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
この夏は、運輸が従来にない重大な意義をもっているにかかわらず、各所に貨物の渋滞、
延着が訴えられている。或る駅ではキャベジ一貨車を腐らした。この事実は、プロレタリ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
波を打って鎌首をもたげたなりに、黒焦になっていた――君、急いでくれ給え、約四時間
延着だ。) (はっ。) と云って行くのを、 (ああ、時さん。) とお道さんは....
「私の覚え書」より 著者:宮本百合子
ばならない各区への順路を教える。何にしても、夜歩くのは危険極ると云うのに、列車は
延着する一方で、東京を目前に見ながら日が暮てしまったので、皆の心配は、種々な形で....
「ニッポン三週間」より 著者:宮本百合子
もっている日本の列車ボーイが沈着な声で誰かに云ってる。 ――東京は四十分ばかり
延着いたします。地震で線路の上へ煙突が倒れたもんですから。 前の座席の旅客が雑....
「大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録」より 著者:宮本百合子
るかと思い、而も逃げ場もないときの心持はまともに味った。高崎、大宮以後十二時間の
延着で、田端に夜の(五日)九時すぎつく。金沢からのり合わせた男、荷もつはあり、自....
「ランス紀行」より 著者:岡本綺堂
だろうと云う人もある。午前十一時までに目的地のランスに到着する筈の列車が二時間も
延着して、午後一時を過ぎる頃にようようその停車場にゆき着いたので、待兼ねていた人....
「火の扉」より 著者:岸田国士
の終電車は時間通り、こゝは廿時廿六分きつかりに出ましたよ。下りはなにしろあの通り
延着ですから、こゝから折り返しで終電を出したんです。そうだね、明日の朝まで待つし....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
る年というのはさすがにちがったもので、寒流がどうとかこうとかして季節が一と月ほど
延着しているということだったが、四月になって夏のような日が四五日つづくと、それま....
「寒中滞岳記」より 著者:野中至
の昇降をなし、また山頂は快晴なるも五、六合辺にて風雨に遮《さえぎ》られ、建築材料
延着のため、山頂に滞在せる大工《だいく》石工《せきこう》人夫《にんぷ》ら二十余名....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
しかして文明の程度は、アルゼンチンよりも十年間おくれおるという。また、郵便物の
延着または紛失すること多きは、わが国と同じからず。要するに、世界文明の中心を欧州....
「妻」より 著者:神西清
の庇に指を二本上げ、当惑げな怨めしそうな顔に緊張した敬意を浮かべて、汽車は二十分
延着しますが、そのあいだ暖かい屋内でお待ちになってはと言った。 「有難う」と私は....