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建仁寺垣
「建仁寺垣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
建仁寺垣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
もちを口にしなかった。彼は、――僕は未《いま》だに覚えている。彼はただ道に沿うた
建仁寺垣《けんにんじがき》に指を触《ふ》れながら、こんなことを僕に言っただけだっ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ろ邸宅といいたいような広大もない住まいでした。 その広い庭の中を通りがかりに、
建仁寺垣《けんにんじがき》のすきからひょいとみると、人影がある。 女です。 ....
「黴」より 著者:徳田秋声
女中は乗り越した垣根からこっちへ降りる足場などについて説明していたが、竹の朽ちた
建仁寺垣に、そんな形跡も認められなかった。 笹村は部屋に音響のないのがたよりな....
「旅愁」より 著者:横光利一
ばそれで良いと思った。彼は云われたまま眼で追って行く左側の所に、趣味の良い太めの
建仁寺垣を連ねた門が見えた。そこの門標にはまぎれもなく宇佐見の名がはっきり眼につ....
「夏目漱石先生の追憶」より 著者:寺田寅彦
の縁側を越えて南側の庭に面していた。庭はほとんど何も植わっていない平庭で、前面の
建仁寺垣の向こう側には畑地があった。垣にからんだ朝顔のつるが冬になってもやっぱり....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
れてぼたり/\と流れ出す。飯島は血に染みたる槍を杖として、飛石伝いにヒョロ/\と
建仁寺垣の外なる花壇の脇の所へ孝助を連れて来る。孝助は腰が抜けてしまって、歩けな....
「後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
左手に樫や榛の大樹が欝蒼と繁茂している――その高台が劫楽寺だ。周囲は桜堤と丈余の
建仁寺垣に囲まれていて、本堂の裏手には、この寺の名を高からしめている薬師堂がある....
「円朝の牡丹灯籠」より 著者:田中貢太郎
お風をひきますよ」 と云って起した。新三郎はそこで起きて陸へ眼をやると、二重の
建仁寺垣があって耳門が見えていた。それは確に飯島の別荘のようであるから、 「伴蔵....
「人の国」より 著者:豊島与志雄
使ったり、植込の枝振を一々見て廻ったり、地面に匐い出してる蚯蚓の色を研究したり、
建仁寺垣の蝸牛をからかったりして、朝食までの時間を過した。 「若い者達はなかなか....
「妾宅」より 著者:永井荷風
と》を呼び過ぎる物売りの声と、遠い大通りに轟き渡る車の響と、厠の向うの腐りかけた
建仁寺垣《けんにんじがき》を越して、隣りの家《うち》から聞え出すはたきの音をば何....
「つゆのあとさき」より 著者:永井荷風
》の揃《そろ》わない小家つづき、その間には潜門《くぐりもん》や生垣《いけがき》や
建仁寺垣《けんにんじがき》なども交《まじ》っているが、いずれも破れたり枯れたりし....