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廻らす
「廻らす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
廻らすの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
りか、その実千差万別に思慮を廻《めぐ》らさなければ役に立たなくなる。しかもそれを
廻らす時間も、材料も充分給与されていない場合が多い。 それで私はともすると事実....
「厳島合戦」より 著者:菊池寛
島渡海を止め、草津、二十日市を攻落し、吉田へ押寄せなば元就を打滅さんこと、時日を
廻らすべからず」と言った。 だが頭のいい元就は、弘中三河守の諫言を封じる為に、....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
刻に、仁田四郎忠常、人穴より出でて帰参す、往還一日一夜を経たり、此洞狭うして踵を
廻らす能はず、意のままに進み行かれず、又暗うして、心神を痛ましむ、主従各|松明を....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
取れないのは沸返える胸のムシャクシャ、熟々《つらつら》と思廻《おもいめぐ》らせば
廻らすほど、悔しくも又|口惜《くちお》しくなる。免職と聞くより早くガラリと変る人....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
詠じて別れ帰った。 南方先生|件《くだん》の名歌を訳するに苦しみ、かれこれ思い
廻らす内、また見付かったから犬寺の話に再追加するは、インドのマーラッタ王サホは五....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
賂《そくろ》を飼う」のであり、まだ表面には何の事も無くても他領他国へ対して計略を
廻らすのが「陰謀」である。たとえば伊達政宗が会津を取った時、一旦は降参した横田氏....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
云うことは無意味なことだし、又恐らく邪魔にもなるだろうから、深く立ち入って想像を
廻らすことなどは慎まなければならないが、併し新聞を読み合わせて見てどうも判らない....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
場合を云うのです。ただああじゃないだろうか、こうじゃないだろうかと、勝手な想像を
廻らすような想像は、これはその人の性質とは云えるかも知れませんが、能力とはいえま....
「親鸞」より 著者:三木清
こそ我々をして弥陀の本願をいよいよ仰信せしめるものである。自己の信仰の径路を思い
廻らすとき、親鸞はそれが不思議にも弥陀の三願によって言い当てられていることを驚き....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
一の不思議なり。爰に奥州の猛者藤原秀平真人、殊に慇懃の志を抽で、専ら知識の方便を
廻らすなり。真人の忠節によつて奥州の結縁を尽くし、爾より以降一天四海次第に結縁す....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
ろもあり、ことにその問題を引き起すに至った所謂谷蟆なるものについても、深く考慮を
廻らすに至らなかったのであったから、今その説の不備を補い、いささかその名義の由っ....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
なく、茫然としてつくづくわが身の薄命、浮世の渡りぐるしきことなど思い廻らせば思い
廻らすほど嬉しからず、時刻になりて食う飯の味が今さら異れるではなけれど、箸持つ手....
「山の人生」より 著者:柳田国男
見失ひぬ。九助は次第に心地元に復し、始めて幻夢の覚めたる如く、首を挙げて四辺を見
廻らすに、時は既に申の下りとおぼしく、太陽|巒際に臨み返照長く横たはれり。其時同....
「朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
ぼうとなぜしないのであるか。吾々は同じ母の懐に眠り、同じ伝説に生い立った昔を想い
廻らすことがあるではないか。かつて私たちの僧は経巻を携え、仏躰を贈り、寺院の礎を....