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「弁じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弁じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
壊滅の序曲」より 著者:原民喜
と大丈夫ここは助かると僕はこの頃思いだしたよ」と、大そう上機嫌《じょうきげん》で弁じるのであった。(この大谷は八月六日の朝、出勤の途上|遂《つい》に行方《ゆくえ....
旅愁」より 著者:横光利一
だとのことだった。それも久木氏個人の趣味と見え他の会社には存在しない、無用の用を弁じる性格らしく社長と社員との関係さえもない。随って矢代の入社も今は他のことは考....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
別され各役相応の等差があった。私の父は側役《そばやく》といって、君侯のそばで用を弁じる者即ち小姓の監督をし、なお多少君侯に心添えもするという役で、外勤めの者の頭....
夜長姫と耳男」より 著者:坂口安吾
を使うが、一々ハエを追うために肩の骨が延びてきたわけではあるまい。人の口は必要を弁じるために孔があいているのだが、朝晩の挨拶なんぞは、舌を出しても、屁をたれても....
遺恨」より 著者:坂口安吾
な学生劇を興行して、酒手を稼いでいる。 そのことに就いて学生どもに訓戒の一席を弁じると、 「先生、ひがんでますね。先生も、ちょいともうけりゃ、いゝんじゃないか....
久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
或は適切なるを思わざる能わず。 既にあきらめに住すと云う、積極的に強からざるは弁じるを待たず。然れども又あきらめに住すほど、消極的に強きはあらざるべし。久保田....
南国太平記」より 著者:直木三十五
し、小太郎が、討手に行く時、わしが助太刀せん、と申したら、何うする? もう一度、弁じるか? 聞いていると、南玉の講釈よりおもしろい、序《ついで》にやってみるか」....
飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
が漸次に退化して所謂猿人に近くなったものだと思えば可い。」 忠一が息も吐かずに弁じるのを、市郎は徐に遮った。 「まあ、待ち給え。君の議論も一通りは解ったよ。け....
撥陵遠征隊」より 著者:服部之総
う》に迫った米船「ジェネラル・シャーマン」号は、むろん朝鮮人にとっては船の英米を弁じる由もなかったけれども、たしかに妙な船だった。船籍は米船だが、英商船の傭船と....
澪標」より 著者:外村繁
入ると、昼食後二時間、女中達は休息の時間を与えられる。その間、彼女達は多く私用を弁じるが、昼寝することも珍しくない。 しかし、とよの先刻の姿は寸時も私の頭から....