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弁別
「弁別〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁別の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
、いかようにも法力《ほうりき》を較《くら》べ合せて、いずれが正法《しょうぼう》か
弁別申そう。」と、声も荒らかに呼ばわりました。
が、何しろただ今も、検非違使《....
「路上」より 著者:芥川竜之介
を意識した。彼の心はいつになく、不思議な動揺を感じていた。それは歓喜とも苦痛とも
弁別《べんべつ》し難い性質のものだった。彼はこの心の動揺に身を任《まか》せたいと....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
三「いき」の外延的構造
前節において、我々は「いき」の包含する徴表を内包的に
弁別して、「いき」の意味を判明ならしめたつもりである。我々はここに、「いき」と「....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
大けい膂力が有るが、御当家へ米搗奉公をしていて、私ア何も知んねえ在郷もんで、何の
弁別も有りやしねえが、村の神主さまのお説教を聴きに行くと、人は天が下の霊物で、万....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
遣ろうと思って、師匠を家へ呼んで、読書から諸芸を仕込んだのだから、兎も角も理非の
弁別がつくようになったんだが、随分金がかゝるから大抵の家では女にまでは行届きませ....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
存じない。いやこれは然もそう、深窓に姫御前とあろうお人の、他所の番地をずがずがお
弁別のないはその筈よ。 硫黄が島の僧都一人、縋る纜切れまして、胸も苦しゅうなり....
「露肆」より 著者:泉鏡花
いではないのですが、こんな処じゃ、誰も衛生という事を心得ん。生命が大切という事を
弁別えておらん人ばかりだから、そこで木製の蛇の運動を起すのを見て行きたまえと云う....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
三十二 「何が何でも、そこに立っちゃいられんから、這ったか、摺ったか、
弁別はない、凸凹の土間をよろよろで別亭の方へ引返すと…… また、まあどうです。....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
能ハ実歴親験ノ重ナルニ随ヒテ長ジ、記憶ノ能ハ同一ノ観像ヲ屡反復スルニヨリテ長ジ、
弁別ノ能ハ原因結果ノ比較ヲ屡スルニヨリテ長ズ。他ノ高等精神作用亦皆習練ニヨリテ育....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
を示すために二、三の例証を引くことは絶対に必要である。 先ず道徳思想と道徳との
弁別の問題がある。リップスによれば、モラールは時と処と人とによって異なる道徳的見....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
着心はまだこの恋を思い切ることが出来なかった。焦れて狂って悶えて、彼はもう理非を
弁別する余裕をうしなって、かの兼好が言った通り、この世では身をやぶり家をほろぼし....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
す。私たちのは享楽で天香師のは祈祷です。 私もしだいに、「本物」と「偽物」とを
弁別する眼が明らかになってくるのを悦びます。「偽物」を相手にするのはたいぎになり....
「世界の「料理王逝く」ということから」より 著者:北大路魯山人
日本料理は西洋料理の鍋の中でゴッタ返す手腕が物をいうのではない。食品材料の良否を
弁別することを第一とする。それが出来得る力こそ、日本料理の根本を知る者だ。しかも....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
マ時代の高僧大徳の遺骨もあり、罪人悪徒の遺骨もあれども、今日にありてはその遺骨を
弁別することあたわず。しかるに狡商輩ローマに至り、その墓所より遺骨を拾い取り、こ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
込んでいた忘我の状態の中で、自分の心の中に形成されつつある事柄を、私はまだ少しも
弁別することができなかった。後になって初めてそれが判って来た。今日、私にはそれが....