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弁士
「弁士〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁士の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「片恋」より 著者:芥川竜之介
「そうすると、向うから、小さな女異人が一人歩いて来て、その人にかじりつくんです。
弁士の話じゃ、これがその人の情婦《いろおんな》なんですとさ。年をとっている癖に、....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
モーニングの銀ちゃんは、煙草の火のついた方を口の中に入れて、火を消してしまった。
弁士上りのグッドモーニングの銀ちゃんは、ひとの二倍は唇が分厚かった。 京吉はも....
「わが町」より 著者:織田作之助
った。 6 ある夜おそく、折箱の職人の家に間借りしている活動写真館の
弁士がにやにや笑いながらはいって来て、どす濁った声で言うのには、 「他あやん、あ....
「無惨」より 著者:黒岩涙香
テ、輿論を動かすテ、条約改正の様に諸方で之が為に、演説を開く様になれば差当り己が
弁士先ず大井憲太郎君と云う顔だナ―故郷へ錦、愉快/\」大鞆は独り頬笑み警察署へは....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
える、太い金縁の眼鏡をかけた男が、少し離れた処に立って、首の汗を拭いていた。 「
弁士さん、そったら処さ立ってれば、足から蚤がハネ上って行きますよ!」 と、「ひ....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
頃から、八百人余りの労働者ではち切れそうになっていた。 演説が始まった。予定の
弁士が相続いて出た。ルール占領反対、戦争反対、大戦当時の政治犯大赦、労働者の協同....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
ら二人で会場をうろついていろいろの絵について私はいろいろと説明した。ところで私が
弁士の如くさんざん重たい口から説明してしまってああ草臥れたと思った時分に友人がい....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
ですわ。」は、おかしい。この言葉づかいは、銀座あるきの紳士、学生、もっぱら映画の
弁士などが、わざと粋がって「避暑に行ったです。」「アルプスへ上るです。」と使用す....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
大将の幼名)ではないぞ」という同じせりふを何べんとなくくり返した。もちろんそれは
弁士のつたない声色であるが、この年になつてもいまだにその節まわしが耳に残つている....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
回転しつつある内、その外側に当ってさらに一大輪を生じたのである」 この時一人の
弁士はこれを反駁して曰く、 「否々、我世界は、由来神の創意に依って出来たのである....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
か?」 インドの女詩人は順番がやっと来たので勇んで演壇に飛び上ってしゃべり出す
弁士のように両眼を輝やかし鞣皮細工のような形の宜い首を前へつき出した。 ――私達....
「死の接吻」より 著者:小酒井不木
に罹るのであるのに、今度の流行の魁となったのは、浅草六区のK館に居るTという活動
弁士であった。ハロルド・ロイドの「防疫官」と題する喜劇を説明して居るとき嘔吐を催....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
ある。私がかつてあげた天満の煙のごときは最も煙の中のすぐれたものである! 」 「
弁士、中止! 」 大塩の演説が面白いところまで行かぬうちに、尾行巡査が電話で若....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
い。私たちはつぎつぎと演説したが、私が激越な口調でブッたところ、立会の警官から『
弁士中止』の声がかかった。それにも構わず続けていると『検束!』という声がかかり、....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
るに敏なかれは「書生芝居」が流行るとみると書生役者、「活動写真」が流行るとみると
弁士、「喜劇」が流行り出すとみると喜劇役者、転々としてつねにその所在を変えて来て....