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「弁天〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弁天の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
軍用鮫」より 著者:海野十三
博士は、のそりのそりと練魚司令部へ足をはこんだ。そこは海岸の中へずっとつきだした弁天島のような小嶼《こじま》があった。教官連をはじめ、それぞれの係員はそれぞれの....
河口湖」より 著者:伊藤左千夫
じめにかえって、 「もう鵜島がめえてきました。松が青くめいましょう。ごろうじろ、弁天さまのお屋根がすこしめいます。どうも霧が深うなってめいりました」 高さ四、....
千早館の迷路」より 著者:海野十三
、同じ女がちょくちょくやって来るのを知らんかね。背のすんなりと高い、顔の小さい、弁天さまのような別嬪だが……」 帆村は、ちょっとかまをかけた。 「ああ、あの女....
七宝の柱」より 著者:泉鏡花
経堂を出て、朴歯の高足駄で、巻袖で、寒く細りと草を行く。清らかな僧であった。 「弁天堂を案内しますで。」 と車夫が言った。 向うを、墨染で一人|行く若僧の姿....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
んですな。よく風で打つけませんね。」 「大丈夫でございますよ。後方が長浜、あれが弁天島。――自動車は後眺望がよく利きませんな、むこうに山が一ツ浮いていましょう。....
湯島の境内」より 著者:泉鏡花
ああ、ちょっと、待って下さいな。 早瀬 何だ。 お蔦 あの、私は巳年で、かねて、弁天様が信心なんです。……ここまで来て御不沙汰をしては気が済まないから、石段の下....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
のう、食物も下されば、お情も下さりょうぐらいに思うて、こびりついたでござります。弁天様の御姿にも、蠅がたかれば、お鬱陶しい。 通りがかりにただ見ては、草がくれ....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
様は都でいらっしゃいます、別にお目にも留りますまいが、私どもの目からはまるでもう弁天様か小町かと見えますほどです。それに深切で優しいおとなしい女でございまして、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
ました。好い日和の折などには私はよく二三の腰元どもに傅れて、長谷の大仏、江の島の弁天などにお詣りしたものでございます。寄せてはかえす七|里ヶ|浜の浪打際の貝拾い....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
、それとも別に依拠のある仮作名であるか、一体ドコを指すのであろう。信乃が滝の川の弁天へ参詣した帰路に偶然|邂逅ったように趣向したというのだから、滝の川近くでなけ....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
留守を勤め上りの囲物、これは洲崎に居た年増に貸してあったが、その婦人は、この夏、弁天町の中通に一軒|引手茶屋の売物があって、買ってもらい、商売をはじめたので空家....
河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
、このくらいな事は可い、と思った。 (別嬪? お寺に。) とセルが言うと、 (弁天様があるのかね。) と紋着が生真面目です。 私はまごついた。 (いいや、....
三枚続」より 著者:泉鏡花
へ遁げました。 佃島には先生、不孝者を持って多いこと苦労をする婆さんが一人ね、弁天様の傍に吝な掛茶屋を出して細々と暮しています、子に肖ない恐しい堅気なんで。」....
式部小路」より 著者:泉鏡花
た蚰蜒じゃありません。十月腹を貸した母親がありましてね。こりゃ何ですって、佃島の弁天様の鳥居前に一人で葦簀張を出しているんですって。 冬枯れの寒さ中毒で、茶釜....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
五十銭玉一つ握り、万一の用意に一円札をたび裏にしのばせ女遊びにも出かけた。洲崎の弁天橋のたもとで、馬肉をさかなにしょうちゅうをひっかけてからいくのだが、帰りを早....