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弁天島
「弁天島〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁天島の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「軍用鮫」より 著者:海野十三
博士は、のそりのそりと練魚司令部へ足をはこんだ。そこは海岸の中へずっとつきだした
弁天島のような小嶼《こじま》があった。教官連をはじめ、それぞれの係員はそれぞれの....
「海賊と遍路」より 著者:黒島伝治
びた松や団栗や、段々畑の唐黍の青い葉を見るとそれが恐しく美しく見える。雨にぬれた
弁天島という島や、黒みかゝった海や、去年の暴風にこわれた波止場や、そこに一艘つな....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
んですな。よく風で打つけませんね。」 「大丈夫でございますよ。後方が長浜、あれが
弁天島。――自動車は後眺望がよく利きませんな、むこうに山が一ツ浮いていましょう。....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
いものであると常に思っている。 ところが最近は紀州大崎へ出かけた、小船にのって
弁天島へ渡ろうとして、偶然にも再び二人の海女を見た、そして私は水面に突き出ている....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
霧は少し薄らぎかけていたが、まだ星の光りは見えなかった。一面に茫とした中に、
弁天島や対岸の点々とした灯が、魚の眼のように浮出していた。枯蓮の静まり返ってる池....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ため、一時、蜂須賀家を利用した抜荷屋のともがらが、いまだに近海の野々島、出羽島、
弁天島あたりに巣を食っていて、手のつけられない海辺漂泊者となっている。 山の山....
「牡蠣船」より 著者:田中貢太郎
、壮佼、起きろ、起きろ」 秀夫はびっくりして起きた。 「ここはどこですか」 「
弁天島だよ、
弁天島の※な後家神に、いたぶられたろう、ぐずぐずしよると生命がないぜ」....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
では、ひかえておれよ。不伝を見ても、同様に」 と、いいふくめた。 池の端から
弁天島の灯のそよぎは、夕方からの夏景色だが、まだ陽が高いし、蓮の花にも、早かった....