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「弁当持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弁当持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
世相」より 著者:織田作之助
じゃ持てないちゅうんで、家族総出、もっとも年寄りと小さいのは留守番にして総勢五人弁当持ちで朝暗い内から起きて京都の堀川まで行ったんですが……、いや、目的の金巾は....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
まだ見えんかなし。」 「おれはさっきから来て待ってるが、なかなか見えんよ。」 「弁当持ちの人足も二人出かけたはずだが。」 「あの衆は、いずれ途中で待ち受けている....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
その頃は薬屋が医者の如く、診察しても構わない時世だった。私の家の店頭は朝から、弁当持参のいろいろの男女の客で埋っていた。彼らは何をしに来ているのか、これも私に....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
せえますなよ。 (軍歌でもやるならまだの事、子守や手毬唄なんかひねくる様な奴の、弁当持って堪るものか。) と吐くでねえか。 奴は朋友に聞いた、と云うだが、い....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
又たお隣へも顔を出さんと却て疑がわれるとこう考えたのである。 其処で平常の通り弁当持たせて磯吉を出してやり、自分も飯を食べて一通片附たところでバケツを持って木....
餅のタタリ」より 著者:坂口安吾
まま、そッぽを向いて、それに返事をしなかった。 それから五六日、助六は相変らず弁当持ちで朝から晩まで家をあけていたが、ある日突然人夫をよびこんで、庭の真ン中の....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
な時は頭の中がムシャクシャして、狂人のようになることがございます。また支払日など弁当持参で半日以上もお屋敷一軒のために費さなければ御勘定が頂けないのです。そうい....
光は影を」より 著者:岸田国士
切妹の多津に委せきりで、毎週二回、鎌倉へ出かけ、そのほかは、たいがい、午前中から弁当持ちで上野の図書館へ通い、気の向くまゝに、新旧の書物を手あたり次第に読み漁つ....
誰が・何時・何処で・何をした」より 著者:竹久夢二
るような恰好をして川を上ったり下ったりしていました。 「お腹がすいたね」 「君は弁当持ってる?」 「持ってない、君持ってるの」 「パンがあるよ」 二人は一つの....
作画について」より 著者:上村松園
絵の古画、絵巻物、ときどきは仏画などをも参考に資するべく、わざわざ奈良の博物館へ弁当持参で参ったものです。 その時代によって好みが移ってくるが、いろいろな画材....
三人の師」より 著者:上村松園
のである。 写生を非常にやかましく言われただけあって、先生の塾では、よく遠方へ弁当持ちで写生に出掛けたものである。 私も女ながら、男の方に負けてはならぬ、と....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
です。お望み通り教えて上げましょう」 こういいますと、後藤氏は大喜び。翌日から弁当持ちで通って来られたので、私は木取を教えて上げた。 暫く稽古をしている中に....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
、米原氏はよろこび、それから何処であったか谷中からは大分離れた処に下宿をして毎日弁当持ちで通って来ました。 この時代は、私は先方の都合はどうであっても委細かま....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
た、名家の売立などにも、よいものがありますので、必ず見に参りました。博物館へはお弁当持ちで一日出かけたものです。そして必ず写生帳に写しとって来ました。お寺にはよ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
日見物することが出来るのであるから、廉いが中にも廉いものに相違なかった。もちろん弁当持参は随意であるが、かの鈍帳芝居とおなじように、弁当や菓子などを場内でも売ら....