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弁慶蟹
「弁慶蟹〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁慶蟹の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
うなそれは疲れかただった。今にも破裂するように心臓が鼓動した。
「ちょっと待って
弁慶蟹《べんけいがに》を踏みつけそうで歩けやしませんわ」
そう葉子は申しわけら....
「道草」より 著者:夏目漱石
間にある空地《あきち》は、だらだら下《さが》りに水際まで続いた。石垣の隙間からは
弁慶蟹《べんけいがに》がよく鋏《はさみ》を出した。 島田の家はこの細長い屋敷を....
「蠅男」より 著者:海野十三
、その人は必ず、今どき珍らしい背広姿の酔漢を見かけたろう。 その酔漢は、まるで
弁慶蟹のように真赤な顔をし、帽子もネクタイもどこかへ飛んでしまって、袖のほころび....
「火星探険」より 著者:海野十三
の犬に吠えられてしまうぜ」 「とんでもない戴冠式のお召し車だ」 山木も河合も、
弁慶蟹《べんけいがに》のように顔を真赤にして、はずかしさにやっとたえていた。穴が....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
げてきたかしら、目高《めだか》がつッつきゃしないかしら―― 「ねえおまっちゃん、
弁慶蟹《べんけいがに》ね、なにを食べてるだろう。」 おまっちゃんもちょっと不安....
「波多野邸」より 著者:豊島与志雄
さないで済みそうだ。」 「蟹というのは、何のことですか。」と、洋介は尋ねた。 「
弁慶蟹……あの赤い小さなやつ、知っているね。」 井野老人はさもおかしそうに首を....
「非情の愛」より 著者:豊島与志雄
なり、吾々仲間の専用となってしまった。 その上、蟹については、井野格三郎老人の
弁慶蟹の話も思い出された。――
弁慶蟹をつかまえ、怒らせておいて、その手にマッチの....