弁膜[語句情報] »
弁膜
「弁膜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁膜の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
婦がちら/\していた。ベッドには病人がねていた。肋膜炎、腎臓炎、胃かいよう、心臓
弁膜不全症――内科と外科は別だった。多くの部屋を区切った扉は、次々に、バタン、バ....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
咲子はちょうど三四日病気していた。時々発作的に来る病気で、何か先天的な心臓の
弁膜か何かの故障らしく胸部に痛みを感ずるものらしかった。長いあいだ子供の病気や死....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
が然し乍ら此事は初学者にとってはあまり関係のない事であるけれども。 私の心臓の
弁膜には穴が一つ開いている。その穴から折角押し出したところの血液が多少もとへ逆流....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
。きれいな音の由です。実質に故障があればズットンズットンときこえる由。脚気などで
弁膜が肥大しているとキッチリ開閉しないので、ズズットン、ズズットンと、ずった音が....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
みると、もう冷たくなっていたのだった。その死因に、怪しい点があった。彼は軽い心臓
弁膜症にかかっていた。また平素不眠になやんでいて、医者の処法の催眠剤を用いていた....
「岩田夫人の死を悼む」より 著者:岸田国士
人の罪とも考えられぬ瞬間が、度々彼を見舞うのである。 静子夫人には、軽度の心臓
弁膜症の徴候があり、その症状の極めて稀なケースとして、遂に彼女の生命を一週間で奪....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
というようなのがあってごらん。彼女が長崎の女である限りは、お蝶さんが肺病と脚気と
弁膜症を併発して瀕死の病床にあっても、それは実に、驚くべき大食らいにきまっており....
「墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
ファン五世といたしました。……昨年の末、ステファン五世は、過度の飲酒からくる心臓
弁膜症で、病床につかれるようになり、追々、険悪な状態に向いました」 十一....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
アトルの宿で、酒を飲んで踊ったりしたので、心臓衰弱で倒れた……水上氏には、前から
弁膜に故障があって、自分の身体のことはよく知っている。証人を二人たてて、将来、水....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
来なかつたゝめ、大津町筋を真直にすることが出来ず、電車線路が歪んで居るところは、
弁膜不全の心臓を見るやうである。赤煉瓦の建物など、どう考へても時代遅れだが、その....
「澪標」より 著者:外村繁
臥させ、医者はその胸部を繰り返し打診した。 しかしこの診察の結果、とく子は心臓
弁膜症であることが判り、保険に加入することはできなかった。 その頃、私は毎夜酒....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
ても、妻を待っているものは、苦しみだけではないか。妻の神経痛は、脳軟化症同様心臓
弁膜症に因るもので、治癒の方法はないという。左手は利かず、足も不自由な、この妻が....