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弁解
「弁解〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁解の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
りやすかったのです。」
「何か書いていたということですが。」
哲学者のマッグは
弁解するようにこう独《ひと》り語《ごと》をもらしながら、机の上の紙をとり上げまし....
「路上」より 著者:芥川竜之介
もう少しさっき届いたばかりだそうだ。」
野村はまるで送りに来ない初子のために、
弁解の労を執《と》るような口調だった。
「そうか。道理で今日|辰子《たつこ》さん....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
度は静な口ぶりで、わざとらしく問いかけた。
「君は僕の云う事を信ぜられない。いや
弁解しなくっても、信ぜられないと云う事はわかっている。しかし――しかしですね。何....
「死後」より 著者:芥川竜之介
言わせられる人か?」
「そんなことを言ったって、……」
「駄目《だめ》だ、いくら
弁解《べんかい》しても。」
妻は僕の怒鳴《どな》るよりも前にもう袂《たもと》に....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
い。醜聞さえ起し得ない俗人たちはあらゆる名士の醜聞の中に彼等の怯懦《きょうだ》を
弁解する好個の武器を見出すのである。同時に又実際には存しない彼等の優越を樹立する....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
も、念を押すようなことになったのです」
しかしその時の煙客翁は、こういう主人の
弁解にも、格別心は止めなかったそうです。それは何も秋山図に、見惚《みと》れていた....
「或る女」より 著者:有島武郎
しばらくしてから、
「でもあのお金はあなた御入用ですわね」
木村はあわてて
弁解的に、
「いゝえ、あれはどの道あなたに上げるつもりでいたんですから……」
....
「或る女」より 著者:有島武郎
はほんとうに敵の中から救い出されたように思ったんですもの……まあしかしそんな事は
弁解するにも及びませんわ。それからどうなさって?」
古藤は例の厚い理想の被《か....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
ればならなかった。忠義をしようとしながら、周囲の人から極端な誤解を受けて、それを
弁解してならない事情に置かれた人の味《あじわ》いそうな心持を幾度も味った。それで....
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
者になることが絶対にできないから、ならしてもらおうとも思わない。第四階級のために
弁解し、立論し、運動する、そんなばかげきった虚偽もできない。今後私の生活がいかよ....
「野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
う》へ並べ立てて、暗に僕がこんな事をして居たから遅くなったのだとの意を示し無言の
弁解をやっても何のききめもない。誰一人それをそうと見るものはない。今夜は何の話に....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ら偽善者は救わるることが出来ないのだと。こう云って聞かされると私は偽善者の為めに
弁解をしないではいられない心持になる。私自身が偽善者であるが故に自分自身の為めに....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
惚れたのどうのってい事はありゃしない。ばか満め何をいうんだえ」 省作も一生懸命
弁解はしたものの何となしきまりが悪い。のみならずあるいはおとよさんにそんな心があ....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
して、昨夜も髯と二人|連で、怪談を聞きに行ったじゃあないか。」 お貞はまじめに
弁解して、 「はい、ですから切前に帰りました。切前は茶番だの、落語だの、そりゃど....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
な。」 「そう一概に言ってくれる事はない。どうせ現在お目に懸けた臆病です。それを
弁解するんじゃないが、田圃だの、水浸しだの、と誇大に妄想した訳ではありません。 ....