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弁難
「弁難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弁難の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
クキヨダイジユニコタウルノゴ》―
一
破提宇子《はでうす》と云う天主教を
弁難した書物のある事は、知っている人も少くあるまい。これは、元和《げんな》六年、....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
議論が始まる。迷亭は面白そうに聞いていたが、やがて口を開いて「そう赤くなって互に
弁難攻撃をするところが夫婦の真相と云うものかな。どうも昔の夫婦なんてものはまるで....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
は薩長の態度を飽き足りないとして、一新更始の道を慶喜に建白した。過去の是非曲直を
弁難するとも何の益がない、この際は大きく目を開いて万国に対しても恥じないような大....
「浮雲」より 著者:二葉亭四迷
、それをそんな事いうッて真個《ほんと》にこの娘は可笑しな娘だよ」 お勢はもはや
弁難攻撃は不必要と認めたと見えて、何とも言わずに黙してしまッた。それからと云うも....
「案内者」より 著者:寺田寅彦
い」と言ったのに、現に飛行機ができたではないかという人があらばそれは見当ちがいの
弁難である。現在でも将来でも鳥のように翼を自分の力で動かして、ただそれだけで鳥の....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
アンス故に、アイロニーやパラドックスや警抜な特色づけが可能となり、これ等諸概念が
弁難的な、弁証法的な対立諸側面を示すことも出来るのである。これ等諸概念の(弁証法....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
けない時には、ことにそうだった。マンハイムはいつも自分の逆説をみずから面白がり、
弁難から
弁難へわたって、ついには自分で内心おかしいほどの、途方もない駄弁《だべん....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
時が来れば、それこそ江口がほんとうの江口になり切った時だ。 江口は過去に於て屡
弁難攻撃の筆を弄した。その為に善くも悪くも、いろいろな誤解を受けているらしい。江....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
と遠ざかってからは較や無関心になったが、『しがらみ草紙』や『めざまし草』で盛んに
弁難論争した頃は、六号活字の一行二行の道聴塗説をさえも決して看過しないで堂々と論....