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「弄う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弄うの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
夫が気に成り何でも蝋燭の盡きるまで調弄《からこ》うて居るが得策だと思ったが最う調弄うて居る必要もなくなった」と云い捨てて全く立ち去る様子である。彼何所迄悪智恵の....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ッしゃい!」 「いやはや困った御笑談を申さるる御方じゃ。御立派やかな若殿が老人を弄うものではござらぬわい。一揆の証拠どこにおじゃる。石垣の修築と境内の秋芝刈りを....
うつり香」より 著者:近松秋江
「……今日はお宮いるか知らん。……これからいって見ようか……」 柳沢は私を戯弄うのか、それとも口では何でもなくいっていても、その実自分で大いにお宮に気がある....
黒髪」より 著者:近松秋江
形、京人形の顔を二年も見なかったので、今そこへ来た時にはほかの人間かと思った」戯弄うようにそういうと、彼女はそれでも微笑もせず、反対に、 「あんたはんかてあんま....
狂乱」より 著者:近松秋江
来てもらわいでもええ。……私そのつもりでいました」彼女は静かな調子ですこし人を戯弄うようにいう。 なるほどそう言えば、ぼんやりしているようでも、女がよく記憶し....
霜凍る宵」より 著者:近松秋江
んになりゃはりましたでっしゃろ。この妓にも、好きな人がひとりあるのっせ」と、軽く弄うようにいうと、若奴は優しい顔に笑窪を見せて羞かしそうにしながら、両掌で頬のあ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
類の内容は、みんな真剣な事実なのか知らん。それとも二人の博士が馴れ合いで、私を戯弄うために仕組んだ、芝居に過ぎないのじゃないかしらん……と……そんな風に考えまわ....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
くも吸い取ることが出来ないのを知ると、 「何だ。画にかいた花だったのか。ひとを調弄うのも大概にするがいいや。」 とぶつぶつ呟きながら、ひどく腹を立てて飛び去りま....
黒猫十三」より 著者:大倉燁子
ひとつ、妹と一緒に僕を助けて頂き度いんです」と改まった口調で云った後、急にまた嘲弄うように笑いかけて、 「その代り、特別を以って、昨夜の事は見逃して上げますよ。....