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弊
「弊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
目《まじめ》な顔をして問いかけました。私は元よりの洋行帰りの一人として、すべて旧
弊じみたものが大嫌いだった頃ですから、『いや一向同情は出来ない。廃刀令《はいとう....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
するはげしい憎悪が、少しずつ動いて来た。――いや、この老婆に対すると云っては、語
弊《ごへい》があるかも知れない。むしろ、あらゆる悪に対する反感が、一分毎に強さを....
「或る女」より 著者:有島武郎
識のしびれきるような陶酔にひたった。しかしその酔いがさめたあとの苦痛は、精神の疲
弊と一緒に働いて、葉子を半死半生の堺《さかい》に打ちのめした。葉子は自分の妄想《....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
る。
敦賀で悚毛《おぞけ》の立つほど煩《わずら》わしいのは宿引《やどひき》の悪
弊《あくへい》で、その日も期したるごとく、汽車を下《おり》ると停車場《ステイショ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、お家が医者だから。……そうでないと、大抵九月児は育たんものだと申します。また旧
弊な連中は、戦争で人が多く死んだから、生れるのが早い、と云ったそうです。 名誉....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
果は生命と関係のない物質的な塵芥となって、生活の路上に醜く堆積する。その堆積の余
弊は何んであろう。それは誰でも察し得る如く人間そのものの死ではないか。 愛は個....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の人でいわゆるピタゴラス学派の元祖であるが、この人となるとまたエジプトの学風の余
弊がかなりに強くひびいているようである。彼はサモス（Samos）島に生れたが後に....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
刻な闘争をくり返し、科学文明の急速な進歩に大なる寄与をなしたけれども、その覇道的
弊害もますます増大して今日、社会不安の原因をなし、清水氏の主張の如く、これも根本....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
き統制主義の時代性を理解せず、指導者群の專制に後退したもの、繰返していうが、その
弊害は個人の專制以上に暴力的となつたものと見るのである。しかしそれにもかかはらず....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
前者は画一主義を予想させる点において、後者は限られた資本系統の独占からくる無数の
弊害を伴うであろう危険性においてともに私の最もむしの好かぬ現象である。たとえば映....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
聴き漏しがありますので、私は朝になればいつも深い統一状態に入り、そしてそのまま御
弊と一｜緒になって了うのでございます。その方が参拝者達の心がずっとよく判るからで....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
別の世界で、寸刻の油断もできない。これを知らずに幽明交通をするから、そこに多大の
弊害が起るのである。初学の士は最初｜成るべく学識経験の積んだ指導者に就きて、這間....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
に魚を放つておいて魚が泳がないといつて騒ぐようなものである。今の日本の映画界の通
弊は何でも監督監督と騒ぎまわることである。監督は一本の映画に関するかぎり、ありと....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
として立ち上る気力を与えることが、その務めであるにもかかわらず、吉田内閣積年の宿
弊は、独立後の日本の政治を混迷と彷徨の中に追い込んでおるのであります。終戦六年に....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
る参謀総長に当る者より直接侍従武官を経て上奏していたのであるが、軍務二途に出づる
弊害を除去するため陸軍大臣が総ての軍事を統一する事となっていた。大モルトケが参謀....