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式典
「式典〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
式典の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
たばかりのころであった。かねて神祇官時代には最も重要な地位に置かれてあった祭祀の
式典すら、彼の来て見たころにはすでに式部寮の所管に移されて、その一事だけでも役所....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
ちらからも 腰の拳銃を押えた 警官が 馳けよってくる 一九五〇年の八月六日 平和
式典が禁止され 夜の町角 暁の橋畔に 立哨の警官がうごめいて 今日を迎えた広島の....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
値なのに気づいた。彼はそれを引裂き、焼き捨てた。そしてさらに恥ずかしいことには、
式典用の自分の公《おおやけ》の曲が廃滅できずにそのまま残ってるのを、見なければな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
してる時よりもバッハを奏してる時の方が、はるかに宗教的気分になっていた。ある種の
式典は彼に激しい信仰心を起こさした。しかしその時、彼が愛していたのは神であったろ....
「シェイクスピアの郷里」より 著者:野上豊一郎
て、各国国旗掲揚式に参列したということを『欧米の隅々』で読んだことがあった。その
式典はシェイクスピア誕生日(四月二十二日)に毎年行われることになってる。 昨夜....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
れると、すぐに迫害をなさいますようで。そうして公卿衆方に仰せられるそうで、『礼楽
式典叙任叙勲、そういう方面へひたすらに、ご研究をお向けなさるがよろしい。兵備や政....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《もとい》となしたるは勿論《もちろん》の事なり。然れども自《おのずか》ら一種の法
式典型を組織せずんば止《や》まざる所ありしが北斎の写実に至つては更に一歩を進めた....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
るほかは、いっさいの美辞麗句を駆逐した格言体が、どこまでも続く文章で「訴願者」「
式典と崇敬」「追随者と友人」「支出」「取引」などという話題について彼は感想を述べ....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
にとってのよろこびであるが、この御代に栄えたのは敢て歌人だけでない。まず宮中の儀
式典礼に心をかけられ、運動遊戯を好まれ、詩会を催され、連歌の会を行われ、ことに各....
「三国志」より 著者:吉川英治
立した日から婚儀までの期間を、身分によって四いろに分けています」 「天子の華燭の
式典は一ヵ年、諸侯ならばそのあいだ半年、武士諸大夫は一季、庶民は一ヵ月」 「その....
「山の人生」より 著者:柳田国男
の平野に近く、多分は朝家の思召に基いて、この山にも一時国樔人の住んでいたのは、御
式典に出仕する便宜のためかと察しられます。 しからば何が故に右のごとき厳重の御....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
ほど大きな災いはせぬかも知れぬが、女の紅白粉などもやはり酒と同様に、本来は祭とか
式典とか、おおよそ酒の用いられなければならぬような日に、女を常の女でなくするため....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
あらためた。播州の一隅から出ない地方城主の家中でも、久しいあいだの室町幕府の礼儀
式典にやかましい風習だけはよく身に沁みている。こうすがたを揃えて厳粛に回れば、さ....
「俗臭」より 著者:織田作之助
に、もうお祭りが済んでいた」訳だが、児子家の家長が多少の金を節約したさに然るべき
式典を経ずして結婚するなど、権右衛門の潔よしとせぬところだったのだ。冠婚葬祭を軽....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
などという方言さえ出来た。五節供の中でもいわゆる重陽だけは、ことに中国から学んだ
式典と、日本民間の古習とが、十分な調和を遂げていなかったように思う。日本の方では....