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式服
「式服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
式服の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
の一挙一動は、すべて一色にしか映らなくなっていた。 老人は、その日家へ帰ると、
式服を着て礼を正し、皺腹をかき切って、惜しからぬ身を捨ててしまった。 忠直卿御....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
数がざっと三百八十名ばかり。いずれもこの日は大紋|風折烏帽子《かざおりえぼし》の
式服に威儀を正して、お乗り物は一様に長柄のお駕籠《かご》、これらのものものしい大....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
出して、重武に飛びついた者があった。 それが中年の婦人であること、重武の純白の
式服がみる/\真赤になって、彼がバッタリと斃れたこと。加害者たる中年の婦人が、返....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
綾形の地紋のある黒縮緬でそれを製し、鈴屋衣ととなえて歌会あるいは講書の席上などの
式服に着用した人であるが、その袖口には紫縮緬の裏を付けて、それがまたおかしくなか....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
帯を締め、近いうち台湾にいる理学士のところへ嫁ぐことになっている妹も、同じような
式服で、写場へ乗りこんだものだった。姉妹の左右に母と嫂とが並んで腰かけ、背の高い....
「錯覚数題」より 著者:寺田寅彦
たよ」と答える。およそ、きれいでない新婦などは有り得ないのである。しかし、どんな
式服を着ていたかと聞かれると、たった今見て来たばかりの花嫁の心像は忽然として灰色....
「三斜晶系」より 著者:寺田寅彦
事に翻訳されたのかもしれない。紫色の服を着た女はやはり同じ写真の中に現われた黒い
式服の中年婦人の変形であるとしたところで、瀬戸物を踏み砕く一条だけは説明困難であ....
「開運の鼓」より 著者:国枝史郎
権謀無双、隼のような彼ではあったが、西郷との会見は重荷であった。 当日になると
式服を纒い馬上に鞭を携えて薩州の邸へ歩ませた。芝高輪まで向かう間に彼の眼に触れる....
「戯作者」より 著者:国枝史郎
しょうかな」 馬琴は喜んで立ち上り、一九の案内で風呂場へ行ったが、やがて手早く
式服を脱ぐと、まず手拭で肌を湿し、それから風呂へ身を沈めた。些か湯加減は温いよう....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
た。 * 翌々晩の、俊亮とお芳との結婚式は、極めて簡素だった。お芳は
式服も着ず、紋のついた羽織をひっかけて、正木夫婦と青木医師――竜一の父――とに伴....
「魔都」より 著者:久生十蘭
だ仕立物を持って入って来ると急いでテーブルの上で包を解き、眼も覚めるような茜色の
式服を取出して自慢らしく繰り拡げながら鶴子の方に振り返り、
「はい、出来ました。....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
クスは丸めてベッドの下へおしこみ、英国皇帝戴冠式のときの花模様のあるオゥガンジの
式服《オンヌウル》をひきずりだして着てみた。小さいときの服なので、スカート・ライ....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
れていました。この白いのが……」と、医務服の裾をつまんでみせ、「彼奴《きゃつ》の
式服です。わたくしがこれを着ていると、やはり侍従長ぐらいには見えるでしょう。……....
「ハイカラ考」より 著者:木村荘八
りしたことがあったという。 二十一歳におなりになると、それからは明治天皇は、公
式服装の場合は一切、出るにも入るにも洋装となさった。千年の緋袴白袍は深々と蔵に埋....
「加波山」より 著者:服部之総
方の村境であり、郡境ともなっている。 九年まえに行ったときは東京で式を済ませて
式服のまま自動車を牛久《うしく》、土浦《つちうら》、石岡《いしおか》、柿岡《かき....