式部官[語句情報] » 式部官

「式部官〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

式部官の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
ン》達は丈四尺もある長槍を立てて、まるで彫刻の様に粛然と二列に並んで立っていた。式部官が捧げて行く金襴で作ったコンスタンチヌス大帝の旗が、基督の頭文字を輝かせ乍....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
はこれだけであろう」 「ふむ、いかさますみ申したようであるが」 裸足の、二人の式部官が次第書とつき合せてみると、もうお客はこれで終っている。きょうの御儀に日本....
明治大正美人追憶」より 著者:長谷川時雨
欧風心酔の急進党が長夜の宴を張って、男女交際に没頭したおりであった。洋行がえりの式部官戸田子爵夫人極子が、きわめて豊麗な美女で、故伊藤公が魅惑を感じて物議をひき....
文づかい」より 著者:森鴎外
正服着て宮に参り、人々と輪なりに一間に立ちて臨御を待つほどに、ゆがみよろぼいたる式部官に案内せられて妃出でたまい、式部官に名をいわせて、ひとりびとりことばをかけ....
だいこん」より 著者:久生十蘭
読ませてやろうと思ってノートを抱えて階下へ行くと、ママは品のいいモオニングを着た式部官のようなひとを玄関から送りだしているところだった。 ママは急にいそがしく....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
させ、どうしても寝つかせなかった。 自分の隣りに、端麗な面もちをした、年の若い式部官が一人乗っている。いままで、まるで作りつけの人形のように、身動きもせずに前....
私本太平記」より 著者:吉川英治
れ態勢もおよそ乱雑でお粗末な政治機関であったようだ。――なにしろつい昨日までは、式部官とか神祇官であった公卿が、一朝、天皇親政の謳歌にのって、“俄か政務官”とな....
随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
て皇居を退がるとき、それは黒塗の箱におさめて持ち帰るべきであろうと思っていたら、式部官のおひとりから、恒例、各自胸にさげて帰宅されるのがふつうであるときかされて....
はつ恋」より 著者:神西清
!」と絶叫する騒ぎだった。 「それはそうと」と、ルーシンは続けた。――「わたしは式部官として、すべてが規定通り行われるよう宰領せねばなりません。ムッシュー・ヴォ....