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「弓を引く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弓を引くの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ご本尊がいらっしゃるじゃねえかよ。のれんを分けてもらった子飼いの番頭が、ご本家へ弓を引くようなまねをするはずがねえ。ふたりの手代どもが忠義顔に罪を着たがったのも....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
へ行っても矢叫びの声武者押しの音、有能の士は抱えられた。だが俺だけは駄目だった。弓を引くことも馬に乗ることも、太刀を抜くことも、兵法も、何一つ手掛けていなかった....
鎮西八郎」より 著者:楠山正雄
るほどでした。それどころか、八幡太郎は弓の名人でしたけれど、人並みとちがった強い弓を引くということはなかったのですが、為朝は背の高さが七|尺もあって、力の強い上....
俊寛」より 著者:倉田百三
しいのは食物がないことだ。わしはいつも餓鬼のように飢えていなければならない。もう弓を引く力もなくなった。水くぐる海士のすべも知らない。(ふと岩陰を見る)見つけた....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
円までの金を与えるもあれば銀製の賞牌を与えるもあります。今でもチベットでは兵士に弓を引くことを必要なる業として授けて居る。鉄砲もこの頃は幾分か西洋式の調練をやっ....
古陶磁の価値」より 著者:北大路魯山人
がありますが、これが芸術の一つの的である。ところが弓を引きます時に芸術に向かって弓を引くのもあります。それから職工的に弓を引きますのと二つありまして、世間でいい....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
さぬ』と答うれば、又弓持、『然らば艮鬼門《うしとらきもん》の方へ、世直り中直りの弓を引く』と言いつつ矢を番い、家の棟を射越し弓を踏み折りて投げ越すなり。然して墓....
三国志」より 著者:吉川英治
、対蜀外交の策謀とか、関羽を味方へ抱き込む工作とか、どっちにしても、間接に肉親へ弓を引くような苦しいそして至難な役目をいいつかる場合にのみ限られていた。 以前....
私本太平記」より 著者:吉川英治
なくては、この守時、死にきれませぬ。――守時とて北条一族の内、その妹聟に、宗家へ弓を引く反逆の子を出したことです。世間の疑いの目、誹りの声、それはまだ忍ぶとして....
私本太平記」より 著者:吉川英治
きていた。親房の手のうちもまた細かい。親房は言ったのである。 「先には直義が兄へ弓を引く名分上、偽って南朝へ降った。そのまずさを見ながら尊氏までがまた帰順を申し....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
ことに平常から気がついているのだった。行李の中には私たち共用の空気銃、Fが手製の弓を引くため買ってきた二本の矢、夏じゅう寺内のK院の古池で鮒を釣って遊んだ継ぎ竿....
黒田如水」より 著者:吉川英治
ひとつ村重に会って、わしの苦衷を語り、かつはまた、そちの信念を以て、いま信長公に弓を引くなどということが、いかに無謀の挙に過ぎないか、また毛利家の強大な形容のみ....
春泥」より 著者:久保田万太郎
ゝばすぐその気になる。」 「だって、そういったって、それじゃァ『矢の倉』の先生に弓を引くもんじゃァないか?」 「そうさ。」 「そんな――そんな義理を知らない……....