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「弔問〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

弔問の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討三態」より 著者:菊池寛
されたのを気づいたために、自分たちを欺こうとする敵の謀計ではないかと思った。が、弔問の客の顔にも、近隣の人々の振舞にも、死者を悼む心がありありと動いていた。直之....
黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
イオニアだなんて、そんな大したものではありません――鳥渡失礼します」 恰度他の弔問客が来たので、重武はそこで話を切上げて、その方に行った。 野村は屍体の安置....
光と風と夢」より 著者:中島敦
う脳溢血《のういっけつ》」之が医師の診断であった。 翌朝、ヴァイリマは、土人の弔問客達から贈られた野生の花・花・花で埋められた。 ロイドは、自発的に勤労を申....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
親族が立ち並んでいた。そこには、幼い二人の遺児もつらなっていた。静かに動いている弔問者の列に加わって歩きながら、伸子は、作家武島裕吉をじかに感じられなかった。重....
婦人と文学」より 著者:宮本百合子
小林の死を知って、組織的な関係はちっともない夫人やよその若い娘というような人々が弔問に来た。が、その人々は、小林の家をとりまいていた杉並警察署のものにつかまえら....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
大伴旅人は、太宰府に於て、妻|大伴郎女を亡くした(神亀五年)。その時京師から弔問が来たのに報えた歌である。なおこの歌には、「禍故|重畳し、凶問|累に集る。永....
丹下左膳」より 著者:林不忘
とは逆に、奥から書きはじめて初めにかえるのである。 大名、旗下、名ある剣客等の弔問、ひきもきらず、そのたびに群衆がざわめいて、道をひらく。土下座する。えらい騒....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
か眠らず出かけ、かえって来たら黒枠ハガキでね。芝の老夫人逝去されました。これから弔問です。花とお香典をもって行きます。御老人さぞ落胆されていることでしょう。あな....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
のために他の事は皆そっちのけになってしまった。私たちの当然な悲歎、近所の人たちの弔問、葬式の手配、その間にもしなければならない宿屋のすべての仕事、などでずっとひ....
次郎物語」より 著者:下村湖人
めていた。彼には、ともするとそれがかすかに息をしているかのように見えた。しかし、弔問客が来て、その顔の覆いが取りのけられるごとに、彼の眼にまざまざとうつるものは....
安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
る文士が生きていて盛業中に死んだ女房は、恐らく亭主たる文士の死よりも盛大な参会者弔問客にみたされ、キモの小さい人間どもをちぢみあがらせるぐらい大葬儀の栄をうける....
松井須磨子」より 著者:長谷川時雨
んな明治座へ行っていたので、座員の一人が、 「松井が帰りましたら申伝えます」 と弔問を受けたが、いるべき人がいないので淋しかった。それがいま、突然の死に弔らわれ....
小山内薫先生劇場葬公文」より 著者:久保栄
、その間劇場員、「三田文学」「子分の会」「劇と評論」の代表者は、交互棺側に侍して弔問客に応接した。当日の参会者は、千二百人をくだらなかった。松竹キネマの撮影技師....
古事記」より 著者:太安万侶
この時アヂシキタカヒコネの神がおいでになつて、天若日子の亡《な》くなつたのを弔問される時に、天から降つて來た天若日子の父や妻が皆泣いて、「わたしの子は死なな....
文芸評論の方法について」より 著者:戸坂潤
本多顕彰だろう。彼は谷川と共に公平な理解者であることに力めているが更に親切な作品弔問者であり作家の牧師であろうとするらしい。すでに一定の出来上った風格があって、....