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弔詞
「弔詞〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
弔詞の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人間失格」より 著者:太宰治
ていながら、無二の親友のつもりでいて、一生、それに気附かず、相手が死ねば、泣いて
弔詞なんかを読んでいるのではないでしょうか。 堀木は、何せ、(それはシヅ子に押....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
りがたいが、いささか無気味なところもある。「それは飛んだ事で」と主人は正月早々|
弔詞《ちょうじ》を述べている。「第二回からは、もっと奮発して盛大にやるつもりなの....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
がなく彼等は「いい」と云った。 「じゃ、運ぶんだ」 「んでも、船長さんがその前に
弔詞を読んでくれることになってるんだよ」 「船長オ?
弔詞イ? ――」嘲けるよう....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
が舁き込まれた。草鞋ばきの西田君の姿も見えた。某嬢の独唱も、先輩及友人諸氏の履歴
弔詞の朗読も、真摯なものであった。牧師が説教した。「美人の裸体は好い、然しこれに....
「二つの庭」より 著者:宮本百合子
らめきに飾られていた。紋服白足袋姿の「湯島詣」の作者が先輩総代として、硯友社調の
弔詞を朗読した。短躯の久地浩が友人総代の
弔詞をよみはじめたが、彼は、せき上げる涙....
「亮の追憶」より 著者:寺田寅彦
った。 そのほかの知友の中でも、中学時代からの交遊の跡を追懐した熱情のこもった
弔詞を寄せられた人や、また亮が読むべくしてついに読む事のできなかった倉田氏の著書....
「源氏物語」より 著者:紫式部
られた。院はもとよりのこと、お后方、東宮から賜わった御使いが次々に葬場へ参着して
弔詞を読んだ。悲しみにくれた大臣は立ち上がる力も失っていた。 「こんな老人になっ....
「源氏物語」より 著者:紫式部
奔走するにすぎない六条邸であった。侍臣を送ったあとで源氏自身も葬家へ来た。斎宮に
弔詞を取り次がせると、 「ただ今は何事も悲しみのためにわかりませんので」 と女....
「源氏物語」より 著者:紫式部
、病夫人を他の室へお移しになった。 紫夫人が死んだという噂がもう世間に伝わって
弔詞を述べに来る人たちのあるのを不吉なことに院はお思いになった。今日の祭りの帰り....
「鑢屑」より 著者:寺田寅彦
た。 七 知名の人の葬式に出た。 荘厳な祭式の後に、色々な
弔詞が読み上げられた。ある人は朗々と大きな声で面白いような抑揚をつけて読んだが、....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
も富士男も賛成した。一同はうちつれて山田左門の墓にもうで、ゴルドンの慷慨淋漓たる
弔詞のもとに礼拝をおわった。 九時になった、ドノバンとイルコックが見張り番をす....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
われた。会葬者は人夫と死体の監視に来たゴロツキの一団であった。 魂の賀川豊彦が
弔詞を述べた。 「……私賀川豊彦、あなたすなわち賀川豊彦の死を弔う。死は一つの変....