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引
「引〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
》り鐘《がね》だけ見える鐘楼《しゅろう》の内部。撞木《しゅもく》は誰かの手に綱を
引かれ、徐《おもむ》ろに鐘を鳴らしはじめる。一度、二度、三度、――鐘楼の外は松の....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
しげに、「身どもの武道では心もとないと御思いか。」と、容易《ようい》に承《う》け
引く色を示さなかった。が、しまいには彼も我《が》を折って、求馬の顔を尻眼にかけな....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
去年の極月《ごくげつ》十五日に、亡君の讐《あだ》を復して、泉岳寺《せんがくじ》へ
引上げた時、彼|自《みずか》ら「あらたのし思いははるる身はすつる、うきよの月にか....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
っしゃる」 遠藤はこう言いながら、上衣の隠しに手を入れると、一|挺のピストルを
引き出しました。 「この近所にいらっしゃりはしないか? 香港の警察署の調べた所じ....
「狂女」より 著者:秋田滋
化粧の世話とか、敷蒲団を裏返すような時でもなければ、誰も彼女をその蒲団のなかから
引ッぱり出すようなことはしなかった。 年老いた下婢がひとり彼女のそばに附いてい....
「墓」より 著者:秋田滋
者が、前の日にそこへ埋葬された妙齢の婦人の死体を掘り出して、今しもそれを墓穴から
引ッぱり出そうとしているのだった。小形の龕燈が一つ、掘り返した土塊のうえに置いて....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
ったのである。 今夜、私は机の前に腰をかけて抽斗を開けた。書いたものをあらまし
引裂いて棄ててしまおうとして、私はむかしの文書を選り分けにかかったのだった。 ....
「初雪」より 著者:秋田滋
ち、更に二時が鳴るのを待った。寒かった。体はぶるぶる顫えた。けれども彼女は風邪を
引かなかった。そこで彼女は意を決して最後の手段によることにした。 彼女はこッそ....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
如く、来往の船は自ら点す燈におのが形を示し、棹に砕けてちらめく火影櫓行く跡に白く
引く波、見る者として皆な暑さを忘るる物なるに、まして川風の肌に心地よき、汗に濡れ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
くにつれて、筆記を取り、後で立派に清書して、節を切り、実験や器械の図をも入れ、索
引を附して四冊とし、主人のリボーに献ずる由を書き加えた。 この筆記を始めとして....
「寡婦」より 著者:秋田滋
垂れて、いつまでもいつまでも、淋しい涕をながして泣いていた。 一同が部屋へ寝に
引上げてしまうと、彼女の話でその静かな心を乱された、でッぷり肥った一人の猟人が、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
方を教えて、ぴかぴかの銀貨をたくさん稼いでいた。日曜日に、選りぬきの歌い手たちを
引きつれて、教会の聖歌隊の場所の正面に席をしめることは、彼の虚栄心をなみなみなら....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
ず歩いてみた。人だかりのしているところへ来ると、彼等はきまって足をとめた。神のお
引合わせということもある。無慈悲な運命にも泪はあろう。あるとも思われないような万....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
れたり、女から愛されたり、群衆から喝采を浴びせられたりする。彼等は人殺しの道具を
引き摺って街を歩く。黒い服を身に着けた通行者は、羨ましそうにそれを眺める。それは....
「夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
らも相当自身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを
引上げたのである。つまり、何処から見ても立派な芸術的文学とまで発展させていたので....