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引かす
「引かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の下司《げす》の知恵じゃ、まず知るめえな。おおかた、今ごろは、まんまとおれに手を
引かすることができたんで、のぼせかえりながら、せっせと被害者の身がらでも洗ってい....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
この現在の持場において俺等が、今すぐ、一箇師団を内地へ引き上げさし、支那から手を
引かすことは、なし得ない。出来ない相談だ。しかし俺等は、俺等として仕事がある。如....
「メデューサの首」より 著者:小酒井不木
くするために、手術によって腹内の血管と腹壁の血管とを結びつければ、患者の生命を長
引かすことができるということでした。え? それをタルマ氏の手術といいますって? ....
「黒髪」より 著者:近松秋江
どっせ」 「へえ、そんな深い人があるの」 「深いことも何もおへんけど」 「そして
引かすといった時あんたは何と言ったの」 「私、すこし都合がおすさかいいうて断りま....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の長い馬鍬を泥に打込んでは曳やっと捏ね、また打込んでは曳やっとひく。他所では馬に
引かす犁を重そうに人間が引張って、牛か馬の様に泥水の中を踏み込み/\ひいて行く。....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
をひいて喜んだ。そうしてると、半睡の状態や、みずから語ってる夢などを、心地よく長
引かすことができるのだった。しかしクリストフは、むずかしい練習にしいて彼女の注意....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
は三、四日旅を長引かした。帰ろうと思えばすぐ帰れることがわかっていたので、旅を長
引かすのが面白かった。急いで帰る必要もなかった。そして帰途の汽車の中で、彼は初め....
「魔都」より 著者:久生十蘭
に、という電話です)
真名古は送話器の方へ走り寄り、
「こちらはなるたけ話を長
引かすつもりだから、八雲町の交番へ急報して、どんなことがあっても通話者を捕えさせ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
るという堅い約束をして、やっと別れて帰りました。 その時お絹さんが、私にかぜを
引かすまいためにとて、無理に持たせてよこした懐炉に、灰に火をつけて彼女が、ハンカ....