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引き出
「引き出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引き出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「じゅりあの・吉助」より 著者:芥川竜之介
に満ちていたと云う事であった。
二
奉行《ぶぎょう》の前に
引き出された吉助《きちすけ》は、素直に切支丹宗門《きりしたんしゅうもん》を奉ずる....
「路上」より 著者:芥川竜之介
者の実例として、ニイチェ、モオパッサン、ボオドレエルなどと云う名前が、一再ならず
引き出されて来た。
初子は熱心にその説明を聞いていた。辰子も――これは始終|伏....
「手紙」より 著者:芥川竜之介
悪いことはその人としてだけ考える時でもいつか僕自身に似ている点だけその人の中から
引き出した上、勝手に好悪《こうお》を定《さだ》めているのです。)のみならずこの奥....
「或る女」より 著者:有島武郎
。五十川《いそがわ》が親類じゅうに賛成さして、晴れがましくもわたしをみんなの前に
引き出しておいて、罪人にでもいうように宣告してしまったのです。わたしが一口でもい....
「或る女」より 著者:有島武郎
はさんだままにしておいた新聞の切り抜きが胸を焼くようだった。葉子は歩き歩きそれを
引き出して手携《てさ》げにしまいかえた。旅館は出たがどこに行こうというあてもなか....
「星座」より 著者:有島武郎
だすほかはなくなった。清逸は首をもたげ加減にして、机の方に眼をやった。そしてその
引き出しの中にある手紙を出してくれと頼んでしまった。
園はすぐ机の方に手を延ば....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
る鰭爪《ひづめ》の音が縁《えん》へ響《ひび》いて親仁《おやじ》は一頭の馬を門前へ
引き出した。
轡頭《くつわづら》を取って立ちはだかり、
(嬢様そんならこのまま....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
った所があるか、個人生活の概念の中に誤った所があるかによって、この不合理な結論が
引き出されると私は知っている。 先ず個人の生活はその最も正しい内容によって導か....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
従うものどもは恐れて逃げようとしたが捕らえられ枷をかけられてエアの神の玉座の前に
引き出された。そこでマルドゥクは渾沌として乱れたティアマートの五体の変形を行った....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
んでいるようだよ。」 「これ、静かにさっせえ、術だ、術だてね。ものその術で、背負
引き出して、お前様|天窓から塩よ。私は手足い引捩いで、月夜蟹で肉がねえ、と遣ろう....
「縁結び」より 著者:泉鏡花
を着けると…… 「有った、有った。」 と嬉しそうにつと寄って、両手でがさがさと
引き出して、立直って持って出て、縁側を背後に、端然と坐った、お君のふっくりした衣....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
の言葉は極めて平凡普通であった。よんどころない必要に迫られて、心の奥底から無理に
引き出すような言葉は、喜怒哀楽とか飢渇とかの本能だけしか現わすことの出来ない動物....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
活状態、死後の向上進歩を無視するのは野蛮である。未発達の怒れる魂を、肉体の檻から
引き出して、自由自在に暴ばれさせるは愚である。すべて地上の人達は、いかに犯罪人を....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
っしゃる」 遠藤はこう言いながら、上衣の隠しに手を入れると、一|挺のピストルを
引き出しました。 「この近所にいらっしゃりはしないか? 香港の警察署の調べた所じ....
「雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ちまち懲役何カ月かをくいそうだし、引き受けたら最後八さん熊さんがホテルの大食堂に
引き出されたような奇観を呈するに決まつているのである。 もつともひつぱり出すほ....