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「引き引き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引き引きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
もわざと傲然《ごうぜん》と、女たちの顔を睨《にら》めまわした。鳩はその間に羽根を引き引き、木の芽に煙っている林の奥へ、ばたばた逃げて行ってしまった。 「あなたは....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
ははははは。 甚吉 ほんまにうまくやったの。あの不具者が、竹槍をついて、ちんば引き引きついて行くのを考えると、吹き出したくなるのう。 おきん あはははは。あの....
自叙伝」より 著者:大杉栄
ボン著『民衆心理』というのは面白い本だから読めと言って勧めた。それも僕は、字引を引き引きしかもとうとう碌に分らないながらも読んでしまった。 学習院は欠員なしで....
パルチザン・ウォルコフ」より 著者:黒島伝治
の中では、歓喜の声を上げていた。 中には、倒れた者が、また起き上って、びっこを引き引き走って行く者がある。傷ついた手をほかの手で握って走る者がある。それをパル....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
うよう寝床を這《は》い出したこの家の主人はかなりの怪我と覚しく、跛足《びっこ》を引き引き炉の傍までやって来て少女と二人で朝飯を食べていると、 「七兵衛さん、七兵....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、少量の残雪が、日陰の偃松の間に、白く塊まっている、乱石の縦横なる大岩角を、跛足引き引き伝わって、時には岩の大穴に落ちそこなったが、どうやら絶頂へ、足を載せたと....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
る。 そしてジャン君は、ひまさえあれば、シェークスピア全集の英文の安本を字引を引き引き読み耽っていた。そしてまた時々、一尺もの高さの手紙やハガキの束を引きずり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
言えば夜の八時頃でした。懐中《ふところ》には十両余の金があって、跛足《びっこ》を引き引きやって来ると闇の中から、 「ちょいと、旦那」 呼ばれて足をとどめた米友....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
めませんでした。 この一場の小喜劇がこれで済んで、川彼方《かわむこう》を跛足を引き引き駈けて行く米友の形をさんざんに笑いながら、ようやく能登守一行の川渡りが済....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
冠《ほおかぶ》りをして、例の梯子くずしを背中に背負《しょ》って、跛足《びっこ》を引き引き大門《おおもん》を潜りました。土手の茶屋で腹はこしらえて来ているし、懐ろ....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
なおその人の唇に触れるに違わん!」 入れ、入れ、入れ、さあさあさあさあ、と水が引き引き、ざわざわと蘆を誘って、沼の真中へ引寄せる。 小松原は立ったまま地※を....
家なき子」より 著者:楠山正雄
あった。そのとちゅう、バルブレンはひと言もわたしに口をきかなかった。かれはびっこ引き引き歩いて行った。おりふしふり返って、わたしがついて来るかどうか見ようとした....
犬と人形」より 著者:海若藍平
さんも驚いてみんな表へ出ますと、泥棒のようななりをした大男が犬に食いつかれて跛を引き引き向うへ逃げて行きます。そのあとからポチが一所懸命吠えながら追っかけて行き....
雷嫌いの話」より 著者:橘外男
に来てくれないと知ると、罠にかかった自分の脚を、自分で食い切って、三本脚でビッコ引き引き戻って来たという剛のものだけに、このデカの強いことも、また無類である。 ....
はつ恋」より 著者:神西清
朗読しだしたが、わたしはろくに聞いていなかった。彼は四脚の短長格を思いっきり声を引き引きがなり立てて、韻が入れかわり立ちかわり、まるで小鈴のような空ろで騒々しい....