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「引き裂かれ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引き裂かれの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
湧いて来ることも綾衣は知っていた。神か人か、何者かの強い手によって二人は無慈悲に引き裂かれねばならぬ情けない運命が、ひと足ずつに忍び寄って来ることも綾衣は覚悟し....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
とされたのはかの熊武の亡骸《なきがら》であった。その身体は両股のあいだから二つに引き裂かれていた。 この怪異におびやかされた人たちが初めて生き返ったように息を....
屋上の狂人」より 著者:菊池寛
阿呆なこといわんと、さあ降りまあせ。 義太郎 わしにちょっとでも触ると天狗さまに引き裂かれるぞ。 吉治 (義太郎に急に迫って、その肩口を捕えながら下の方へ引下ろ....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ったさ。それは苦もなく分った。何故って、寝台の南側の窓のカーテンが一個所大きく、引き裂かれていたではないか。疑いもなくゼ号の手斧は南の窓から飛込んでカーテンを裂....
地中魔」より 著者:海野十三
どうした」 「……」 少年は黙って短いロープの端っこを見せた。そこは滅茶滅茶に引き裂かれていた。あの地底の大地震に、ロープが切断され「岩」は、とうとう地中に埋....
カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
と同じ様に、深い擦過傷が所々に喰い込み、労働服の背中にはまだ柔い黒色の機械油が、引き裂かれた上着の下のジャケットの辺りまで、引っこすった様にべっとりと染み込んで....
放浪の宿」より 著者:里村欣三
れっきりで二人がうとうととしかかった時、絞め損った鶏を飛ばしたような消魂しさで、引き裂かれるような悲鳴が、耳のつけ根で爆発した。同時に、若者と時計屋がはね起きた....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
女達は悲鳴を上げた。バタバタと倒れる音がした。器類がころがった。画像がべりべりと引き裂かれた。 「助けてくれーエッ」 と叫ぶ者があった。倒れた信徒の体の上を、....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
そこに積んである着物のきれはしをいちいちに取り上げて検査すると、それはずたずたに引き裂かれて、乾いた血のために固くなっていた。陪審官はそれに興味を持たないらしく....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
衣裳は磨り切れて艶々しい色も褪せ、荒野の悪い野良犬や尖った茨にその柔らかな布地は引き裂かれてしまった。 昼のあいだ、太陽が情け容赦もなくすべての生物を焼き殺す....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
から極に、天球を涯しなく拡がってゆくのだ。 いまや、岬の一角ははっきりと闇から引き裂かれ、光りが徐々に変りつつあった。 それまでは、重力のみをしんしんと感じ....
フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
も、驚くほど敬服し、また同時に同情せずにおられません。こんなけだかい人間が不幸に引き裂かれているのを、骨の疼くような悲しみを感ぜずに、どうして見ることができるで....
「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
受け、腰のまわりに、短い紐によって重い石が附けられてあった。彼女は彼女の衣服から引き裂かれた布片で絞殺され、両腕のまわりに紐の跡がはっきり附いていた。両手には薄....
憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
な事もやってはみるが、もし一朝その怒りにでも遇おうものならば、たちまち八つ裂きに引き裂かれて樹の股にかけられたり、或いは恐ろしい罰に苦しめられたりするものだとし....
罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
に、器械的に動いているのである。新しい、これまで知らなかった苦悩のために、全身が引き裂かれるようである。 どうも何物をか忘れたような心持がする。一番重大な事、....