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「引上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

引上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
去年の極月《ごくげつ》十五日に、亡君の讐《あだ》を復して、泉岳寺《せんがくじ》へ引上げた時、彼|自《みずか》ら「あらたのし思いははるる身はすつる、うきよの月にか....
高野聖」より 著者:泉鏡花
したお礼に、叔母さんが世話を焼くのでござんす、お人の悪い。)といって片袖を前歯で引上げ、玉のような二の腕をあからさまに背中に乗せたが、じっと見て、 (まあ、) ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
たが、それには及ばぬから浴衣だけ取って手を通すと、桁短に腕が出て着心の変な事は、引上げても、引上げても、裾が摺るのを、引縮めて部屋へ戻ると……道理こそ婦物。中形....
新日本の進路」より 著者:石原莞爾
主義國家として立たしめんと欲するならば、日本の再建は遲々として進まず、アメリカの引上げはその希望に反して永く不可能となるであろう。しからば日本は結局、アメリカの....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
帳越にふらふら釣り下った、行燈の台を押えようと、うっかり手をかけると、誰か取って引上げるように鴨居を越して天井裏へするりと入ると、裏へちゃんと乗っかりました。も....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
。ずんずんずんと沈んでな、もう奈落かと思う時、釣瓶のようにきりきりと、身体を車に引上げて、髪の雫も切らせずに、また海へ突込みました。 この時な、その繋り船に、....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ざるや、古今敗亡のそれこそ、軌を一にする処である。 が、途中まず無事に三橋まで引上げた。池の端となって見たがいい、時を得顔の梅柳が、行ったり来たり緋縮緬に、ゆ....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
うに感じたくらい。 一つくぐって鳩尾から膝のあたりへずり下った、その扱帯の端を引上げざまに、燈を手にして、柳の腰を上へ引いてすらりと立ったが、小用に、と思い切....
黒百合」より 著者:泉鏡花
去ったが、やがて中ほどでちょっと振返って、滝太郎を見返って、そのまま片褄を取って引上げた、白い太脛が見えると思うと、朝靄の中に見えなくなった。 やがて、夜が明....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。そこに姿の油断がある。足くびの時なぞは、一応は職業行儀に心得て、太脛から曲げて引上げるのに、すんなりと衣服の褄を巻いて包むが、療治をするうちには双方の気のたる....
化鳥」より 著者:泉鏡花
ゃるけれど、わざとあの猿にぶつかって、また川へ落ちてみようかしら。そうすりゃまた引上げて下さるだろう。見たいな! 羽の生えたうつくしい姉さん。だけれども、まあ、....
狂女」より 著者:秋田滋
殺されそうになったこともある。 春がまた帰って来た。この町を占領していた軍隊は引上げて行った。隣の女の家は窓も戸もたて切ったままになっていた。そして路次には雑....
寡婦」より 著者:秋田滋
垂れて、いつまでもいつまでも、淋しい涕をながして泣いていた。 一同が部屋へ寝に引上げてしまうと、彼女の話でその静かな心を乱された、でッぷり肥った一人の猟人が、....
夢の如く出現した彼」より 著者:青柳喜兵衛
らも相当自身があっただけに、探偵小説なるものを芸術的に、文学的に、グウとレベルを引上げたのである。つまり、何処から見ても立派な芸術的文学とまで発展させていたので....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
た処だったので、 「しゃっちこばッたな、こいつあ日なしだ。」 とそのまま乱暴に引上げようとすると、少しく水を放れたのが、柔かに伸びそうな手答があった。 「どッ....