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引上げる
「引上げる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
引上げるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水害雑録」より 著者:伊藤左千夫
させて貰わねばならぬ。自分は駅員の集合してる所に到って、かねて避難している乳牛を
引上げるについてここより本所停車場までの線路の通行を許してくれと乞うた。駅員らは....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
どうやらこの塀の中の工場らしいが、呶鳴りつけるような大きな声やら、重いチェーンを
引上げるらしくガラガラという音などが一しきり喧しく響いてきた。何だろう? と思い....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
同だった。 頭の働く部下の一人は、こう考えた。 (課長が重症の赤星龍子について
引上げるというは、最早今夜は犯罪が行われないことがわかったのだ。なぜそれが確かに....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
った米艦隊は、やっと東洋遠征に誤算のあったことを気付いた。と云って、此処まで来て
引上げることは許されないことであった。ブラック提督は、海軍の敗戦を、何とかして、....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
満十二年ぶりに、東海道線の汽車に乗って、居を東京から京都に移した。その際、東京を
引上げるについては、私は名残りを措しんでくれる一二の友人から思い掛けなき厚意を受....
「火星兵団」より 著者:海野十三
何か、たくらみがあるぞ!」
博士が、いつになく、あわてて注意した。
「え、一度
引上げるのですか」
「うん、早くせい」
そう言っている時、突撃隊の中に変なこと....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
帳越にふらふら釣り下った、行燈の台を押えようと、うっかり手をかけると、誰か取って
引上げるように鴨居を越して天井裏へするりと入ると、裏へちゃんと乗っかりました。も....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
で、野猪、狼、猿の類、鷺の進、雁九郎などと云う珍客に明け渡して、旅籠屋は泊の町へ
引上げるくらい。賑いますのは花の時分、盛夏|三伏の頃、唯今はもう九月中旬、秋の初....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
。そこに姿の油断がある。足くびの時なぞは、一応は職業行儀に心得て、太脛から曲げて
引上げるのに、すんなりと衣服の褄を巻いて包むが、療治をするうちには双方の気のたる....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
費用というのは幾らか知らぬが、これと他の四百円という借金を払い済して、なお東京へ
引上げる費用が残ってくれればいいが、もし不足するようなら、紀州の山田から借りるが....
「火の扉」より 著者:岸田国士
耳をすましはじめる。 こうして、夜はふけた。 酔いつぶれた一人二人を残して、
引上げることになつた。 尾関昇は北原ミユキを促して駅までみなを送ろうと言つた。....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
酔に満足するご婦人は又土耳古風呂へ這入って名残無く汗を洗い落し二階の自分の部屋へ
引上げるのだそうだ。つづいてミメヨキ男も風呂へ入れられ、それから別の寝室へ寝かさ....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
つつ、首尾よく肩のあたりへ押廻して、手を潜らし、掻い込んで、ずぶずぶと流を切って
引上げると、びっしょり舷へ胸をのせて、俯向けになったのは、形も崩れぬ美しい結綿の....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
いた。 大示威運動が過ぎ、太閤さんと、大塩平八郎の帰った後、賀川市長も、私宅に
引上げることにした。 彼の私宅は、大阪市の南端|後宮の木賃宿の裏にあって、家の....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
一杯飲んで。……いま帰ったって明日帰ったって帰る味はおんなしだ。……みす/\早く
引上げることの出来たものをそういって一日延しにのばしたのは三浦でもなければ田代で....